ドイツと日本の一番の違いは…
ドイツと日本の一番の違い。それはハートだった。日本は選手の一人ひとりが闘志をもってプレーし、1つ1つのパスに魂がこもっていた。その熱い気持ちはドイツのバランスを崩させた。
ドイツには秩序とテクニックはあったが、エモーションはなかった。それはサポーターを見てもわかる。日本のサポーターは声を限りに応援していたが、私の近くにいたドイツサポーターはどこか映画でも見に来ているような感じだった。
サッカーはテクニックとフィジカルと戦術だと言う者がいたら、ぜひ日本対ドイツ戦を見てほしい。ハートがどれほど大事なものかがよくわかるだろう。
前半の日本は確かにあまり良いプレーとは言えなかった。しかしこれはW杯だ。この大舞台でプレーするのは他のどんな大会とも違う。誰もが緊張し、普段の力を出すのは困難だ。
例えばあのフランスでさえ、ゴールするまでは苦労していた。リズムをつかむまでには少し時間がかかる。その長さはチームによって違う。経験の差もあるだろう。日本はそれに多少時間がかかっただけだ。前半45分は敵を知り自分を知るための大事な、そして必要な時間だった。
ドイツには秩序とテクニックはあったが、エモーションはなかった。それはサポーターを見てもわかる。日本のサポーターは声を限りに応援していたが、私の近くにいたドイツサポーターはどこか映画でも見に来ているような感じだった。
サッカーはテクニックとフィジカルと戦術だと言う者がいたら、ぜひ日本対ドイツ戦を見てほしい。ハートがどれほど大事なものかがよくわかるだろう。
前半の日本は確かにあまり良いプレーとは言えなかった。しかしこれはW杯だ。この大舞台でプレーするのは他のどんな大会とも違う。誰もが緊張し、普段の力を出すのは困難だ。
例えばあのフランスでさえ、ゴールするまでは苦労していた。リズムをつかむまでには少し時間がかかる。その長さはチームによって違う。経験の差もあるだろう。日本はそれに多少時間がかかっただけだ。前半45分は敵を知り自分を知るための大事な、そして必要な時間だった。
この勝利で日本は自信持ち、モチベーションもより高くなっただろう。日本の今後の対戦相手は興味深い。私がここまで見た中では一番弱いコスタリカと、一番強いスペインと対戦する。先にコスタリカと対戦する日程は、日本にとっては有利だ。コスタリカ戦できちんと勝つことができれば、スペイン戦ではたとえ敗れても構わない。そのリラックスした気持ちが良い方に作用すれば、もしかしたらスペイン相手にも結果を出すことができるかもしれない。
スタジアムで、旧知のブラジルサッカー連盟の幹部と会った。彼はドイツの偵察に来ていたのだが、試合を見て日本に警戒を抱いたようだ。
「日本は統制されたチームでスピードがある。何より危険なのは調子が落ちたと思っていると、その3分後には絶好調になっていることだ」
最後に一つだけ告白すると、私はこれまでW杯でブラジル以外を応援したことがなかった。しかしこの試合では、その戦いぶりに思わず日本のサムライたちに心から声援を送っていた。こんなのは初めてだ。しかしそれは私だけではなかったようで、スタンドにいた中立の観客の多くが、気が付けば日本を応援していた。
日本はこのW杯を見る人々に大きな楽しみを与えてくれる存在となった。
取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
【PHOTO】「美人すぎる」、「セクシーすぎる」フットボーラーの妻&恋人たち
スタジアムで、旧知のブラジルサッカー連盟の幹部と会った。彼はドイツの偵察に来ていたのだが、試合を見て日本に警戒を抱いたようだ。
「日本は統制されたチームでスピードがある。何より危険なのは調子が落ちたと思っていると、その3分後には絶好調になっていることだ」
最後に一つだけ告白すると、私はこれまでW杯でブラジル以外を応援したことがなかった。しかしこの試合では、その戦いぶりに思わず日本のサムライたちに心から声援を送っていた。こんなのは初めてだ。しかしそれは私だけではなかったようで、スタンドにいた中立の観客の多くが、気が付けば日本を応援していた。
日本はこのW杯を見る人々に大きな楽しみを与えてくれる存在となった。
取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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