• トップ
  • ニュース一覧
  • 【消えた逸材】「新時代のプラティニ」はなぜリバプールで成功できなかったのか。37歳で引退、現在は…

【消えた逸材】「新時代のプラティニ」はなぜリバプールで成功できなかったのか。37歳で引退、現在は…

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2022年12月31日

「フィジカルに問題はなかった。でもメンタルが…」

フランス2部のオルレアンでプレーしていた18-19シーズンのル・タレク。 (C)Getty Images

画像を見る

 リバプールと契約を交わしても1年間はレンタルでそのままル・アーブルに残り、アンフィールド(リバプールの本拠地)に渡ったのは03年夏。このとき行動をともにしたのが、一緒に世界一になったシナマ=ポンゴルだ。
 
 ル・アーブルのアカデミーで切磋琢磨し、「言葉を交わさなくても目と目で分かり合える」というほど息の合ったコンビネーションで向かうところ敵なしだった相棒と、ともにステップアップを果たした。
 
 そのシナマ=ポンゴルは遠縁に当たる。彼の父のいとことル・タレクの叔母が結婚し、縁戚関係が結ばれた。故郷のレユニオン島を離れ、単身ル・アーブルにやって来たシナマ=ポンゴルを受け入れたのがル・タレク家で、すぐに意気投合したアントニーとフロランの厚誼はいまに続く。
 
 足並みを揃えて突き進んできたこの盟友と、リバプールでは皮肉にも揃って躓いた。それも大きくだ。うまくいかなかったのは、「我慢が足りなかった」からだと本人は振り返る。引退に際してのインタビューで、ウェブメディア『76actu』にこう語っている。
 
「とにかく試合に出たくて焦ってしまった。もう少し我慢できれば違うキャリアになっていたかもしれない。レンタルに出してくれと一方的にクラブに要求を突きつけた。それが間違いだったんだと思う」
 
 怪我にも泣かされた。サンテティエンヌでは練習中に足首を痛め、レンタルは半年で打ち切りとなってしまった。出場2試合目でゴールを決める好スタートを切っていただけに無念の離脱だった。もっとも、前述のユーベ戦でのアシストはこのシーズンのことだ。
 
 ル・マンを経て10年夏に加入したオセールでも足首の捻挫で出鼻を挫かれた。10-11シーズンのオセールはCLに出場してグループステージでミラン、レアル・マドリー、アヤックスと同居した。腕を試し、経験を積む絶好の機会だったが、ピッチに立てたのはミランとの初戦の最後の17分間だけだった。
 
 最後はナショナル(3部)のアンシーでユニホームを脱いだ。20-21シーズン終了後だ。契約はあと1年残っていたが、37歳の心が奮い立たなかった。
 
「フィジカルに問題はなかった。エネルギーも残っていた。でも、メンタルがついてこなかった」
 
 引退後もアンシーにとどまり、ユースチームのコーチになった。目標はスポーツディレクター。そのために、監督として現場に立ってマネジメントの経験を積みたいと言う。将来を明確に見据えている。
 
文●松野敏史
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年9月15日号より転載
 
【関連記事】
【消えた逸材】バルサのカンテラで「メッシと双璧」と呼ばれたMFは、なぜ表舞台から姿を消したのか
【消えた逸材】パリSGの最年少ゴール記録を持ち、17歳で日韓W杯に出場した早熟の天才。37歳の現在はインドでレジェンドに!
【消えた逸材】「最悪のダメな奴」トッテナム移籍が叶わず歯車が…プレミアで14得点を挙げた元英代表FWの転落キャリア
【消えた逸材】「ロナウドの後継者」が「ゴシップまみれの堕ちた天才」に…元マドリーFWの現在
【消えた逸材】「イスタンブールの奇跡」の端緒を開く!いまなおリバプール・ファンの心を熱くさせる男の現在は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ