「カナダ戦に出たら…」日本代表の10番・南野拓実、“逆転スタメン奪取”にかける想い

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年11月17日

「責任のある番号。自分らしいプレーをしたい」

モナコでは着実にパフォーマンスレベルを上げてきていた。W杯での躍動に期待も高まる。(C)Getty Images

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 あとは、目に見える結果を残すことが大切なのだ。

「個人的にはカナダ戦に出たら、ゴールとかアシストといった結果を出したいと思っているし、チームとしてもただの練習試合と捉えるのではなく、自分たちの力を証明して、ワールドカップ初戦を迎えたい。そういう気持ちはみんなあると思うので、全力でプレーしたい」と彼自身、本番前最後のチャンスに持てる力の全てをぶつけるつもりだ。

 南野の代表でのゴールは、2月の最終予選・サウジアラビア戦が最後。森保ジャパン最多の17得点を叩き出す点取り屋も、ここ1年は足踏み状態が続いている。

 ゆえにW杯直前の今、停滞感を打破したいところ。それが逆転スタメン奪取にもつながるかもしれない。

 目下、トップ下のファーストチョイスは今季欧州12得点・3アシストの鎌田大地(フランクフルト)というのは誰もが認める事実だろう。ただ、南野が非凡な決定力を取り戻してくれれば、試合途中、あるいはターンオーバーで出る機会も増えてくるはずだ。
 
 一方で、左MFでのスタメンの可能性もないとは言えない。というのも、ドイツの右サイドにはヨナス・ホフマン(ボルシアMG)やジャマル・ムシアラ(バイエルン)ら圧倒的な個の打開力を備えたタレントがひしめくからだ。彼らを封じるためには左サイドバック1人では足りない。守備力の高い左MFのサポートが不可欠なのである。

 現時点で久保建英(レアル・ソシエダ)が候補者の最右翼と目されるが、最終予選では左サイドに入って献身性を示した南野の起用を森保監督が考えないはずがない。そういった可能性も視野に入れつつ、泥臭くアグレッシブな10番には貪欲かつガムシャラにポジションを取りにいってほしいのだ。

「今までどんな人が代表の10番を付けてきたかというのは自分もよく分かっているし、責任のある番号だとは思う。でも自分らしいプレーをしたい。特に何かを変える必要はないし、できることをやるだけかなと思います」

 良い意味で割り切りを見せた南野。ここまでの迷いや苦悩を振り切って、本来の自分に戻った今、南野は一体、何を見せてくれるのか。紆余曲折の末につかんだW杯で爪痕を残すべく、まずはカナダ戦で布石を打ってほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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