「可能性がある限りは、残っているタイトルをすべて狙う。それしかない」(宇佐美)
試合後、報道陣に「ベンチスタートになるのは、いつ知ったのか?」と問われると、宇佐美はこう答えた。
「前日ですね。監督と話をして、『分かりました』と。(理由は)話したくないですし、話す必要もない。どこから出てもベストを尽くすだけだった。自分に決め切る力があれば……」
悔しかったに違いない。チームが敗退したこと。そして、短い時間で自分の力を出し切れなかったことが――。終始、宇佐美は憮然とした表情で、質問に対する答を絞り出していた。
「負けた気がしない。(ガンバは)アウェーで戦った時とは違う強さを見せることができていた。あと1点、取れていれば。悔しさがある。しっかり切り替えて、次につなげていくしかないです。可能性がある限りは、残っているタイトルをすべて狙う。それしかないです」
今季、最も注目された試合で「切り札」としての起用になった宇佐美。エースが輝きを放つ瞬間は訪れず、2008年アジア王者のG大阪は、惜しくも4強で姿を消した。