【清水】降格を招いた要因は、修正力と判断力の欠如だ

カテゴリ:Jリーグ

増山直樹(サッカーダイジェスト)

2015年10月17日

「噛み合わなかった。個々でなんとかできるほど、優れた選手はウチにはいない」(角田)

敗戦を受け止め、顔を覆う大前。とりわけロングボールの多かった前半は上手く崩しに絡めず、後半のシュートも枠を捉えられなかった。写真:田中研治

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 もっとも、清水の問題点はプレーの質だけに止まらない。なにより指摘したいのは、修正力と判断力の低さだ。相手がいるサッカーというスポーツにおいて、とりわけ求められるのは状況に合わせた的確な判断である。
 
 上手く行かない時間帯は、どんなチームにも必ずやってくる。そこでどれだけ耐え、流れを再度引き寄せるか。強いチームはディテールの微調整を繰り返し、勝ち切る術を持っている。しかし、清水にはそれがない。
 
 攻撃では、感覚に任せるように自分のタイミングでパスを出し、当然のように周囲と噛み合わない。守備でも対面する相手にはしつこく当たるが、連動して追い込むようなボールの奪い方は見られない。チームとしての約束事のなさが各自の立ち返る場所をなくし、修正をさらに困難にしているようにも感じる。
 
 角田は言う。
 
「噛み合わなかった。個々でなんとかできるほど、優れた選手はウチにはいない。しかも、選手が活き活きとプレーできていない」
 
 この言葉がすべてだろう。個々の力不足と、チームとしてのまとまりのなさ。負けるべくして負け、降格するべくして降格したのだ。
 
 今季残りの3試合は、当然ながら「プロとして最後まで戦う」(田坂監督)ことが求められる。J2に落ちても、1年で復帰できる――。そう思わせるなにかを期待したい。
 
取材・文:増山直樹(本誌編集部)
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