「やるしかないないでしょ。特に次が大事になる」(阿部)
阿部の回答はこうだ。
「あの質問はちょっと聞き方が違うんじゃないかなと。『過去(の終盤戦)は下降線を辿っていたけど、どう考えてますか』だったらまだ分かるけど、今現在で『下降線に入っていると思うのですが』と言われたので。こんなことは初めて。そう言われてしまう状況なのが悔しい。必ず見返してやろうかなと思いますよ」
そこまで語ると阿部は一呼吸置き、再び言葉を紡いだ。
「やるしかないでしょ。別に過去のことであれば『そうですね』と言えるけど……今現在でそう言われるとね」
もっとも、G大阪戦の敗戦は重く受け止めており、遠路駆け付けた多くのサポーターへの気遣いも覗かせた。
「勝利を目指していつでもやっているし、悔しい気持ちは選手たちも持っている。僕たちと同じぐらい、今日来ていた(浦和サポーターの)みんなにも悔しい想いをさせてしまった。それは申し訳なかったと思う。上位陣との対戦が続くし、特に次が大事になる」
必ず見返してやる――。「じゃあ」と言って会場を後にした阿部の背中は、そんな強い想いを醸し出していた。
取材・文●大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)