優勝候補を下すも、疑惑の試合の犠牲となったアフリカの雄…。


のんびりムードの西ドイツに冷や水を浴びせたアルジェリア・マジェールの鮮やかな先制場面。この後、アルジェリアは世界から賛辞を送られ、欧州王者は嘲笑と罵声を浴びる羽目となった。下はチリ戦のメンバー。 (C) SOCCER DIGEST
さて世界の大舞台では、この日本の2つの代表チームと同じ道程を辿り、同じ結末を迎えたチームが、他にも存在する。なかでも有名なのが、1982年スペイン・ワールドカップでのアルジェリアだ。
この大会でアフリカ代表として初出場を果たしたアルジェリアは、1次リーグ初戦で西ドイツ(当時)と対戦。予選を全勝で突破した西ドイツは、2年前のEURO80でも優勝を飾っており、ブラジルと並んで優勝候補の筆頭と目されていた。
この強大な敵に対して“マグレブの雄”は果敢に挑み、ラバ・マジェール、ラクダル・ベルミのゴールで2-1と勝利。相手を完全になめてかかった西ドイツに大きなショックを与えるとともに、世界を驚愕させ、「第三勢力」の台頭をアピールした。
しかし、次戦の相手オーストリアには、良さを抑えられて0-2で敗北。迎えた最終戦では、南米のチリに個人技、身体能力の高さ、鮮やかなパスワークで対抗し、サラー・アサド、テディ・ベンサウラのゴールで3-2の勝利を飾った。
勝点4(当時は勝利勝点2)は2次リーグ進出に十分値する成績だったが、西ドイツが最終節でオーストリアを1-0で下したことにより、3チームが2勝1敗で並び、得失点差で西ドイツ(3)、オーストリア(2)、アルジェリア(0)の順となった。
アルジェリアは、西ドイツとオーストリアが“談合試合”を行なったと非難し、世界もこれに同調。アルジェリアは胸を張って大会を後にし、準優勝した西ドイツは国内でも評判を落とし、直後のブンデスリーガの観客数が大きく減少する事態を引き起こした。
なお、ワールドカップにおいて2勝を挙げたチームが3位に沈み、次ラウンド進出を逃したのは、後にも先にもこの時のアルジェリアだけだ(94年アメリカ大会では2グループで3チームが2勝1敗で並んだが、当時のルールにより3位のアルゼンチン、ベルギーはともに決勝トーナメントへ進出している)。
90年イタリアW杯のカメルーンや2002年日韓W杯のセネガル(ともに開幕戦で前回優勝国に勝利)、EURO2004のギリシャ(開幕戦で開催国&優勝候補のポルトガルに勝利)……初戦で番狂わせを演じたチームは、どのコンペティションにも少なからず存在する。
通常そういたチームは、勢いそのままに次ラウンドまで進むか(前述のギリシャは決勝でもポルトガルを下して優勝!)、あるいは2戦目以降は失速して敗戦を続けるかのどちらかである。
最後まで勝ち星を積み重ねながらも次ラウンドへの進出できないという、ある意味、最も悔しいパターンはそう多くない。だからこそ、今後も同様の事象が各競技で起きた時、我々は前述した悲運のチームを思い起こすことだろう。
この大会でアフリカ代表として初出場を果たしたアルジェリアは、1次リーグ初戦で西ドイツ(当時)と対戦。予選を全勝で突破した西ドイツは、2年前のEURO80でも優勝を飾っており、ブラジルと並んで優勝候補の筆頭と目されていた。
この強大な敵に対して“マグレブの雄”は果敢に挑み、ラバ・マジェール、ラクダル・ベルミのゴールで2-1と勝利。相手を完全になめてかかった西ドイツに大きなショックを与えるとともに、世界を驚愕させ、「第三勢力」の台頭をアピールした。
しかし、次戦の相手オーストリアには、良さを抑えられて0-2で敗北。迎えた最終戦では、南米のチリに個人技、身体能力の高さ、鮮やかなパスワークで対抗し、サラー・アサド、テディ・ベンサウラのゴールで3-2の勝利を飾った。
勝点4(当時は勝利勝点2)は2次リーグ進出に十分値する成績だったが、西ドイツが最終節でオーストリアを1-0で下したことにより、3チームが2勝1敗で並び、得失点差で西ドイツ(3)、オーストリア(2)、アルジェリア(0)の順となった。
アルジェリアは、西ドイツとオーストリアが“談合試合”を行なったと非難し、世界もこれに同調。アルジェリアは胸を張って大会を後にし、準優勝した西ドイツは国内でも評判を落とし、直後のブンデスリーガの観客数が大きく減少する事態を引き起こした。
なお、ワールドカップにおいて2勝を挙げたチームが3位に沈み、次ラウンド進出を逃したのは、後にも先にもこの時のアルジェリアだけだ(94年アメリカ大会では2グループで3チームが2勝1敗で並んだが、当時のルールにより3位のアルゼンチン、ベルギーはともに決勝トーナメントへ進出している)。
90年イタリアW杯のカメルーンや2002年日韓W杯のセネガル(ともに開幕戦で前回優勝国に勝利)、EURO2004のギリシャ(開幕戦で開催国&優勝候補のポルトガルに勝利)……初戦で番狂わせを演じたチームは、どのコンペティションにも少なからず存在する。
通常そういたチームは、勢いそのままに次ラウンドまで進むか(前述のギリシャは決勝でもポルトガルを下して優勝!)、あるいは2戦目以降は失速して敗戦を続けるかのどちらかである。
最後まで勝ち星を積み重ねながらも次ラウンドへの進出できないという、ある意味、最も悔しいパターンはそう多くない。だからこそ、今後も同様の事象が各競技で起きた時、我々は前述した悲運のチームを思い起こすことだろう。