【回想】ラグビー日本代表の悲運……同様のケースはサッカーの大舞台でも

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年10月12日

強豪相手に大番狂わせ→2戦目敗北→残り試合に勝利→敗退…。

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ひとつの敗戦が命取りとなってしまった悲運の日本代表。この経験を活かして今後のさらなる飛躍に繋げる、という部分でも同じであってほしいところだ。 (C) Getty Images

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 ラグビー・ワールドカップで、日本代表は3勝1敗という好成績を挙げながら、予選プールステージの突破はならなかった。
 
 全4試合のうちの3試合に勝ちながら、ノックアウトラウンドに進めないのは、大会史上初のことだという。
 
 初戦で2度の優勝を誇る強豪・南アフリカ相手に大番狂わせを演じ、2戦目でスコットランドに完敗したとはいえ、残りの2試合にはしっかり勝利を挙げたというのに敗退とは、何ともやりきれない話だが、この悲哀をかつてサッカー界も味わっている。
 
1996年アトランタ・オリンピックのサッカー日本代表を覚えている方のなかには、今回のラグビー日本代表と重なる部分を感じる方も少なくないだろう。
 
 銅メダルを獲得したメキシコ大会から28年ぶりに五輪の舞台に立った日本がグループリーグ初戦で対戦したのは、当時世界最強といわれたブラジル。怪物ロナウドを前線に擁し、中盤ではジュニーニョ・パウリスタがチャンスを創造、サイドからはロベルト・カルロスが攻め上がり、ゴールマウスにはジダが立ちはだかった。
 
 このメンバーに、アウダイール、リバウド、ベベットのオーバーエイジ組が加わったブラジルは大会前から無類の強さを発揮し、直前にニューヨークで行なわれた世界選抜との一戦では、内容でも世界のスター軍団を圧倒して勝利を飾っていた。
 
 しかし、全く勝ち目がないといわれていた日本は、GK川口能活がファインプレーを連発してゴールを許さず、ブラジルの攻撃陣を苛立たせる。そして72分、路木龍次の左からのクロスをめぐりジダとアウダイールが交錯、こぼれたボールを伊東輝悦が難なく詰めて1-0とし、「マイアミの奇跡」と呼ばれる世紀のアップセットを起こした。
 
 一躍、世界の注目を集めることになった日本だったが、続くナイジェリアには0-2の敗北。この時点で、首位ナイジェリア(勝点6・得失点差3)、2位ブラジル(勝点3・得失点差1)、3位日本(勝点3・得失点差-1)となり、かなり戦況は厳しくなった。
 
 最後のハンガリー戦、日本は2度もリードを許すが、90分に交代出場したばかりの上村健一がヘッドで決めて追いつく。この時にはブラジルがナイジェリアを1-0で下しており、日本が2位に入るにはさらに3点が必要となった。
 
 それでも日本は、アディショナルタイムに前園真聖がこの試合2点目のゴールを決めて意地の勝ち越し。結局、同勝点ながら得失点差でブラジル、ナイジェリアを下回ってグループリーグ敗退が決まったが、2勝を挙げた誇り(もちろん失望と悔いもあった)を胸に大会を後にしたのだった。
 
 試合数や各試合の内容では違いはあるものの、当時の日本とラグビー代表が置かれた状況は似ている部分も多く、何より辿った道のりは同じだった。

 日本サッカーはこのアトランタの経験を経て、以降、ワールドカップ初出場、グループリーグ突破と進歩と遂げてきた。ラグビー代表にもこの先、明るい未来が待っていることを願いたい。
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