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ドイツで模索し続ける田中碧に、レジェンド長谷部誠が金言「自分なりの価値あるサッカー選手に」。24歳ボランチの現在地

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2022年10月02日

川崎時代と対極の世界で生きている

ドイツで研鑽を積む日々。複雑な感情を抱きつつも、プレーの幅は増していると実感している。写真:元川悦子

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 この2点目がチームの起爆剤になり、アペルカンプが技ありのループシュートで3点目をゲット。さらにCKから1点を追加し、デュッセルドルフが4-1で快勝。暫定順位を4位に引き上げることに成功した。

「いやあ、やっとです」と試合後の取材ゾーンで田中碧は弾けんばかりの笑顔を見せた。

「今年、結構外してたんで、やっと入った。何気ないゴールですけど、ホッとしているし、気持ちが落ち着いたのかなと思います。点が入ると個人としても大きな自信になる。これからどんどん取れるんじゃないかという気がします」と、代表にいた5日前とは全く別人のように明るい表情を見せていた。

 ドイツ2年目の今季は、1部昇格がノルマだと彼は考えている。そのためには自身の活躍が必要不可欠。とはいえ、ドイツ2部は室屋成(ハノーファー)も話していたように、タフで激しいリーグ。足もとの技術やパスワークよりも、個々のバトルやボールの奪い合い、競り合いが中心だ。
 
 今回のデュッセルドルフもまさにそう。創造性あるプレーを見せるのは田中とアペルカンプくらいで、あとは愚直に闘争心を押し出す選手が中心。ある意味、田中は川崎時代と対極の世界で生きているのだ。

「いる環境によってやることも変わるんで、今の自分は『落ちてるな』って思うところもあるし、『逆に伸びてるな』って思うところもある。今はここでどう生き残るかを考えてます。

『すごく楽しいか』って言われたら、本来の楽しさではないかもしれないけど、違う意味で苦労してる楽しさはすごくある。成長しているのかは分からないけど、できることは増えているのかなと思います」と、複雑な感情を抱きつつも、プレーの幅を増している実感を覚えているという。

 そういった模索を続ける自分を肯定してくれたのが、代表合宿に電撃合流したレジェンドの長谷部誠(フランクフルト)だ。2008年からドイツ1部で15年間プレーし、代表でも3度のW杯に出場した偉大なボランチの言葉を耳にして、田中はしみじみと考えさせられたと話す。
 
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