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ドイツで模索し続ける田中碧に、レジェンド長谷部誠が金言「自分なりの価値あるサッカー選手に」。24歳ボランチの現在地

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2022年10月02日

森保Jのシステム変更により…

10節・ビーレフェルト戦で今季初ゴールを挙げた田中。「何気ないゴールですけど、ホッとしている」と笑顔を見せた。(C)Getty Images

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 カタール・ワールドカップ(W杯)の最終予選で大きな節目となった昨年10月のオーストラリア戦(2-1)。この試合で4-3-3の3ボランチの一角を担い、主力の1人に位置づけられてきた田中碧(デュッセルドルフ)。

 しかし、9月のアメリカ、エクアドルの2連戦で森保一監督がシステムを4-2-3-1に戻したことで、アメリカとの初戦で田中は出番なしに終わった。エクアドルとの2戦目はダブルボランチの一角でフル出場したが、柴崎岳(レガネス)と不慣れなコンビを組むことになり、連係面でかなり苦戦を強いられた。

「僕のポジションで言えば『AとB』という形でしょうし、それはしょうがない。ワールドカップのメンバーに入って、試合に出られないで終わるとしても、それでいい。僕もそれなりの覚悟はできてるんで。ただ、あとは見とけよと。それしかないです」と、本人は野心をメラメラと燃やしている様子だ。

 序列を覆すためにも、所属するデュッセルドルフで目に見える結果を残すしかない。代表活動明けすぐの10月1日のビーレフェルト戦は、大きな意味を持つ一戦だった。
 
 27日に強度の高いエクアドル戦を消化した田中は、28日は別メニュー調整だったため、ベンチスタートの可能性もあると見られた。が、ダニエル・ティウーン監督はタフな彼を信頼してスタメンで起用。田中はオランダ人MFヘンドリクスとボランチを組み、その前にアペルカンプ真大が入る形の4-2-3-1で試合はスタートした。

 奥川雅也を左MFに配置するビーレフェルトは、試合前の段階で14位。同6位のデュッセルドルフより苦しいスタートを強いられている。しかもアウェーという環境にナーバスになっていたのか、この日は守勢に回り続ける。

 そんな相手をデュッセルドルフは押し込み、21分には左クロスに反応したアペルカンプが右足アウトの芸術的な先制点をゲット。一歩リードする。だが、前半はPKで1点を返され、1-1でハーフタイムに突入。後半勝負という構図となった。

 そこで田中が魅せる。開始時からアペルカンプとポジションを入れ替え、前がかりになっていた好機を逃さず、47分にアペルカンプの右クロスに反応。ゴール前に飛び出して右足ボレーをお見舞いしたのだ。喉から手が出るほど欲しかった今季初ゴールを挙げ、彼は満面の笑みを浮かべていた。
 
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