ルール地方の地元紙である『デア・ヴェステン』も同じくチーム最低タイとなる５点を与え、「バイエルンの守備陣に対してほとんどなにも発揮できず、相手の脅威となるシーンは本当になかった。そして、後半開始のホイッスルの後には交代となった」と記している。
 
　同紙ではゴールを決めたオーバメヤンとともに、ボール関与数はチーム最低の15回、１対１勝利数でも香川と変わらなかったが、アシストを記録したカストロにも3.5という他紙と比較すると高い評点が与えられている。
 
　同紙はカストロについて「オーバメヤンへのアシストは素晴らしく、それ以上に非常に秩序だったプレーを見せた。非常によく走り、パスも正確だった」などと述べている。しかし、実際のところ走行距離とパス成功率で香川とカストロに大きな差はなく、結果に絡んだことでカストロの全体的な評価が高くなった形だ。
 
　最後に放送局『シュポルト１』の評価を見ていきたい。香川に対する評点は５点で、「バイエルンの組み立て役であるシャビ・アロンソの最初のお邪魔虫となったが、攻撃面での存在感は薄かった。試合に彼の印象を残すことはまったくできず、53分にカストロとともに交代となった」と記している。
 
　チーム最低点はGKビュルキの６点となっているが、MFヴァイグルには守備面の働きを評価して2.5点の評点を与えており、大敗したチームにおいてもしっかりと見せ場を作った選手には相応の評価を与えている。
 
　全体として「シャビ・アロンソ封じ」の役割について触れている評価が多かったのにも関わらず、実際には評点が低かったことを考えると、やはり香川には攻撃面での活躍が求められていると言える。
 
文：山口裕平