ナポリに大敗したミラン――「献身性」と「闘争心」がまるで感じられず…

カテゴリ:メガクラブ

白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

2015年10月05日

献身性や闘争心がまったく感じられなかった…。

持ち前の俊敏性と創造性を発揮したL・インシーニェ(右)は、2ゴールを挙げる活躍を見せた。(C)Alberto LINGRIA

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先制点のきっかけとなるパスミスにはじまり、終始不安定だったサパタ(左)は、敵CFのイグアイン(右)に自由を許し続けた。(C)Alberto LINGRIA

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 ミランで最大の戦犯は、軽率なミスで先制点献上のきっかけを作ったサパタ。その後も同じようなパスミスを繰り返したうえ、さらにはポジショニングも終始ずっと中途半端だった。以前からの課題を一切克服できておらず、メクセスやアレックスの怪我という事情があるにせよ、2節からずっと先発起用しているミハイロビッチ監督の采配には首を傾げざるをえない。
 
 とはいえ、期待を裏切ったという意味では、他の選手も似たり寄ったりだ。いまのミランの純粋なタレント力は、セリエA内の「第2グループ」がせいぜい。逆に「第1グループ」に所属する今や格上と言っていいナポリとの試合では、そのクオリティー差を補うような献身性や闘争心が不可欠だったはずだ。
 
 しかし、ミランで最後まで足を止めずに戦っていたのはボナベントゥーラのみ。ミハイロビッチ監督は今夏の就任以来、事あるごとに献身性や闘争心の重要さを説いているが、この日のチームからはそれがまったく感じられなかった。戦術以前の問題だ。
 
 失点の度に天を仰いで肩を落とす選手たちを鼓舞する真のチームリーダーの不在という、数年来の課題が解決されていない点も気掛かりだ。
 
 今日の敗戦で3勝4敗と負け越し、順位も11位まで転落。最終ラインの要ロマニョーリ、バッカやL・アドリアーノと違ってタメを作って変化が付けられるバロテッリの欠場というエクスキューズがあるとはいえ、この日のようなパフォーマンスが続けば、CL(3位以内)はもちろん、EL(5位以内)の出場権獲得すらも危ういだろう。
 
文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
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