冷静な判断力と高い技術が凝縮されたデビュー弾
迎えた関東学院大戦、横浜F・マリノス内定の木村卓斗とダブルボランチを組んだ林は、ファーストプレーで激しい球際の攻防を制した。
「守備から入ろうと思っていたので、それが成功して、そのあとは自信を持ってプレーできました」
大学に入って磨いた武器で波に乗ると、的確な攻撃参加と正確なファーストタッチ、独特のリズムを刻むドリブルと展開力でゲームのリズムを作り出した。
13分、中央右寄りでボールを持った林は顔を上げて周囲を確認すると、相手を一枚ひらりとかわしてドリブルを開始した瞬間に、ボールを受けに落ちてきたFW佐藤恵允に正確なクサビのパスを打ち込んだ。
「最初は裏に抜け出そうとしてくれた(FW太田)龍之介さんに出そうと思ったのですが、恵允さんがタイミングよく受けに来てくれたので、無理に裏を通すより恵允さんに当てて、リターンを受けてシュートまで持っていこうと思った」
瞬時に状況を把握し、的確な選択をした林。パスを受けた佐藤は右サイドに駆け上がってきた林に対し、相手CBが食いついた隙を見逃さず、鋭くターンして左サイドでフリーになったMF中村草太へスルーパス。
中村はカットインから鮮やかな右足シュートを突き刺し、明治大に先制点をもたらした。
そして75分、待望のデビュー弾もまた林の冷静な判断力と高い技術が凝縮されたものであった。
右サイドで途中出場のMF藤森颯太のパスに抜け出したMF櫻井風我がドリブル突破で縦をえぐると、ペナルティエリア内にできたスペースにスプリントした林がクロスを要求。
櫻井からクロスが届くと、「ダイレクトで打とうと思ったのですが、DFが一枚滑ってきたのが見えたので、1つずらしてファーサイドに蹴り込みました」と、頭脳的な切り返しシュートを叩き込んで見せた。
「栗田監督から『FWとの関わりを意識しろ』と言われて、セカンドボールを拾うこと、前に積極的に出ていくことを意識しました。1点目も2点目もその持ち味が出せました」
「守備から入ろうと思っていたので、それが成功して、そのあとは自信を持ってプレーできました」
大学に入って磨いた武器で波に乗ると、的確な攻撃参加と正確なファーストタッチ、独特のリズムを刻むドリブルと展開力でゲームのリズムを作り出した。
13分、中央右寄りでボールを持った林は顔を上げて周囲を確認すると、相手を一枚ひらりとかわしてドリブルを開始した瞬間に、ボールを受けに落ちてきたFW佐藤恵允に正確なクサビのパスを打ち込んだ。
「最初は裏に抜け出そうとしてくれた(FW太田)龍之介さんに出そうと思ったのですが、恵允さんがタイミングよく受けに来てくれたので、無理に裏を通すより恵允さんに当てて、リターンを受けてシュートまで持っていこうと思った」
瞬時に状況を把握し、的確な選択をした林。パスを受けた佐藤は右サイドに駆け上がってきた林に対し、相手CBが食いついた隙を見逃さず、鋭くターンして左サイドでフリーになったMF中村草太へスルーパス。
中村はカットインから鮮やかな右足シュートを突き刺し、明治大に先制点をもたらした。
そして75分、待望のデビュー弾もまた林の冷静な判断力と高い技術が凝縮されたものであった。
右サイドで途中出場のMF藤森颯太のパスに抜け出したMF櫻井風我がドリブル突破で縦をえぐると、ペナルティエリア内にできたスペースにスプリントした林がクロスを要求。
櫻井からクロスが届くと、「ダイレクトで打とうと思ったのですが、DFが一枚滑ってきたのが見えたので、1つずらしてファーサイドに蹴り込みました」と、頭脳的な切り返しシュートを叩き込んで見せた。
「栗田監督から『FWとの関わりを意識しろ』と言われて、セカンドボールを拾うこと、前に積極的に出ていくことを意識しました。1点目も2点目もその持ち味が出せました」
大きな手応えを掴んだデビュー戦。今後、さらなる飛躍を目ざす彼にとって、改めて高校で、あの選手権で学んだものを聞いてみた。
「明治大も高川学園と同じで人間性を重んじるチームだと感じました。サッカー中もそうですが、それ以外の先輩たちの立ち振る舞いが素晴らしくて、1、2年後に僕もそうありたいと思える姿だったのです。
僕もサッカー面でも人間面でももっと成長したいと心から思っていますし、先輩たちの姿を客観的に見て、すぐにそう感じられたのも、高川学園で部署制度を経験し、『気配り、目配り、心配り』の精神をピッチ内外で教えてもらったからこそ。
選手権では本当に多くの人に高川学園の存在を知ってもらえたことで、明治大に入ってからも周りは強豪Jユース出身の選手が多いですが、ちゃんと認識してもらえた。周りから注目してもらえることの意味も改めて感じました」
明治大に現われた新たな『紫紺の戦士』。最後に林はこう力強く口にした。
「この1試合で終わらないで続けることが大事なので、継続して謙虚に貪欲に明治の勝利に貢献できる選手になりたいですし、周りから『あの時の高川学園の10番だ』と思われたいです」
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】2022年の高校サッカー界を彩る注目選手を写真でチェック!~関東編
「明治大も高川学園と同じで人間性を重んじるチームだと感じました。サッカー中もそうですが、それ以外の先輩たちの立ち振る舞いが素晴らしくて、1、2年後に僕もそうありたいと思える姿だったのです。
僕もサッカー面でも人間面でももっと成長したいと心から思っていますし、先輩たちの姿を客観的に見て、すぐにそう感じられたのも、高川学園で部署制度を経験し、『気配り、目配り、心配り』の精神をピッチ内外で教えてもらったからこそ。
選手権では本当に多くの人に高川学園の存在を知ってもらえたことで、明治大に入ってからも周りは強豪Jユース出身の選手が多いですが、ちゃんと認識してもらえた。周りから注目してもらえることの意味も改めて感じました」
明治大に現われた新たな『紫紺の戦士』。最後に林はこう力強く口にした。
「この1試合で終わらないで続けることが大事なので、継続して謙虚に貪欲に明治の勝利に貢献できる選手になりたいですし、周りから『あの時の高川学園の10番だ』と思われたいです」
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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