吉田麻也は“痛恨のバックパス”から立ち直ることができるか!?

カテゴリ:ワールド

松澤浩三

2015年09月22日

これで見放されるほど、指揮官からの信頼は薄っぺらくはない。

勝点は失ったが、全ての信頼を失ったわけではない。再び笑顔を取り戻すため、一から歩み始める。 (C) Getty Images

画像を見る

 マンU戦の後に筆者が思い出していたのは、2年前の12月に行われたアストン・ビラ戦だった。平日のナイトゲーム。期待薄でイングランド南部に乗り込んだが、良い意味でその期待は裏切られた。吉田はCBとして先発出場したのだ。
 
 しかし……久々のリーグ戦出場に、完全にやる気が空回りして、ハーフウェイライン付近で不用意に飛び出し、敵FWにあっさりと振り切られて先制を許してしまった。
 
 あの瞬間、吉田のサウサンプトンでの未来はないと感じた。しかし彼はその後、必死にアピールし続けて、ここまで這い上がってきた。
 
 今シーズンの吉田は、マンU戦のミスの場面を除けば、今まで見てきたなかで最も自信を持ってプレーをしている。プレーぶりには落ち着きと安定感が備わっている。
 
 一方、不動のCBフォンテには、過去2シーズンほどの安定感が見られず、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)戦では「パーフェクト」(クーマン監督)だったフィルジル・ファン・ダイクも、マンU戦では凡庸なCBに映った。
 
 つまり、今後も吉田が自分の仕事をし続ければ、再びチャンスが訪れる可能性はあると考えるのが普通だ。前述のWBA戦後の取材で、吉田は「ここから競争が始まる。この2年もそうだが、今年もすごく良い競争相手だと思う」と語っていた。
 
 築き上げてきた信頼を失うのは簡単だ。それでも、一度のミスで見放されるほど、指揮官の吉田に対する信用は薄っぺらくない。
 
 前にあるのはいばらの道。それは否定しない。しかし、これまでにも厳しい試練を乗り越えてきた吉田であれば、今回のハードルを乗り越える術もきっと心得ているはずだ。
 
文:松澤浩三
【関連記事】
再開前にチェック! 移籍市場終了で立場は変わった? 欧州日本人選手の現状は――|プレミアリーグ 岡崎・吉田編
【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「ミラン再浮上に必要なのは“真面目な本田”よりも強烈な個性か」
独紙の辛口寸評。1得点・1アシストの香川に「人知れずパスを散らし、創造性に欠けた」とも
完璧なポストプレーの武藤、絶大なる存在感で勝利に大貢献!!――マインツ 3-1 ホッフェンハイム
再開前にチェック! 移籍市場終了で立場は変わった? 欧州日本人選手の現状は――|セリエA 本田・長友編

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ