相手DFを前半交代に追いやるほどの武藤の競り合いの強さ!!

ゴール以上の働きを見せたと言ってもいい武藤。ボールコントロール、戦況判断、フィジカルコンタクト、飛び出しと、全てにおいてポテンシャルとセンスの高さを示した。 (C) Getty Images
素早いトランジションや猛烈なプレッシングが功を奏し、一気に主導権を握ったのはホームチームのマインツだった。
しかし、13分に思わぬ落とし穴にハマる。ホッフェンハイムがカウンターを発動した際に選手たちの帰陣が遅れ、DFラインの裏に鋭く飛び出してきたシュミッドに先制点を奪われたのだ。
それでもマインツは、前に果敢に打って出る積極性を失わなかった。実際、失点の5分後には、武藤の身体を張ったポストワークからクレメンスを経由して、最後はDFの股を抜くマッリの技ありシュートで同点。すぐさま試合を振り出しに戻した。
ただ、CBベルがその勢いを削ぎかねないミスを犯す。23分、エリア手前でホッフェンハイムのエースであるフォラントに軽くいなされて、あわや失点の危機を招いたのである。
至近距離からのシュートを右腕一本で弾き出したカリウスのファインセーブがなければ、試合を優勢に進めながら2度もリードを許し、チームは小さくない精神的ダメージを負っていたはずだ。
窮地を脱したマインツは、1トップの武藤を中心に攻め立てる。小さくない驚きだったのが、その武藤の確度の高いポストプレーだ。屈強なCBとの競り合いにほとんど勝利し、前線の基準点として機能。41分にはシェアとのツヴァイカンプ(1対1)を制して、そのスイス代表DFを前半での交代に追いやった。
後半に入っても、武藤の勢いは止まらない。
49分には得意の飛び出しでCBビチャクチッチのイエローカードを誘い、53分にはCKに合わせてバー直撃のヘディング。そして、チームの2点目が生まれた7分後の68分、ホッフェンハイムを突き放す貴重なゴールをアシストする。
またしてもDFラインの裏を取ると、左足で中央に折り返し、マッリのハットトリックを見事にお膳立てしたのだ。
76分にニーダーレヒナーとの交代でピッチを退くまで、武藤の存在感は絶大で、改めてブンデスリーガで十分に通用するポテンシャルを証明した格好だ。ゴールこそ奪えなかったが、彼がマッリやカリウスとほとんど遜色のない、勝利の立役者となったのは間違いない。
自慢のスピードやドリブル、プレッシングだけでなく、非凡なポストプレーも見せた武藤が、当初想定されていた2列目のサイドではなく、このまま1トップに固定される可能性は十分にあるだろう。
文:遠藤孝輔
しかし、13分に思わぬ落とし穴にハマる。ホッフェンハイムがカウンターを発動した際に選手たちの帰陣が遅れ、DFラインの裏に鋭く飛び出してきたシュミッドに先制点を奪われたのだ。
それでもマインツは、前に果敢に打って出る積極性を失わなかった。実際、失点の5分後には、武藤の身体を張ったポストワークからクレメンスを経由して、最後はDFの股を抜くマッリの技ありシュートで同点。すぐさま試合を振り出しに戻した。
ただ、CBベルがその勢いを削ぎかねないミスを犯す。23分、エリア手前でホッフェンハイムのエースであるフォラントに軽くいなされて、あわや失点の危機を招いたのである。
至近距離からのシュートを右腕一本で弾き出したカリウスのファインセーブがなければ、試合を優勢に進めながら2度もリードを許し、チームは小さくない精神的ダメージを負っていたはずだ。
窮地を脱したマインツは、1トップの武藤を中心に攻め立てる。小さくない驚きだったのが、その武藤の確度の高いポストプレーだ。屈強なCBとの競り合いにほとんど勝利し、前線の基準点として機能。41分にはシェアとのツヴァイカンプ(1対1)を制して、そのスイス代表DFを前半での交代に追いやった。
後半に入っても、武藤の勢いは止まらない。
49分には得意の飛び出しでCBビチャクチッチのイエローカードを誘い、53分にはCKに合わせてバー直撃のヘディング。そして、チームの2点目が生まれた7分後の68分、ホッフェンハイムを突き放す貴重なゴールをアシストする。
またしてもDFラインの裏を取ると、左足で中央に折り返し、マッリのハットトリックを見事にお膳立てしたのだ。
76分にニーダーレヒナーとの交代でピッチを退くまで、武藤の存在感は絶大で、改めてブンデスリーガで十分に通用するポテンシャルを証明した格好だ。ゴールこそ奪えなかったが、彼がマッリやカリウスとほとんど遜色のない、勝利の立役者となったのは間違いない。
自慢のスピードやドリブル、プレッシングだけでなく、非凡なポストプレーも見せた武藤が、当初想定されていた2列目のサイドではなく、このまま1トップに固定される可能性は十分にあるだろう。
文:遠藤孝輔