奇跡以上の“伝説”を作らない限り、J2降格は避けられない。

大前のCKを鄭(9番)がヘッドで流し込み、一時は同点に追いついたが、最終的には1-4の完敗を喫す。この試合では2トップが機能不全に陥り、ゲームプランが崩壊……。残留を果たすためには、奇跡以上の“伝説”が必要だ。写真:田中研治
高木は一方で、清水の印象を次のように語った。
「(清水の)カウンターは迫力があったし、危ないなというのはありましたが、点差がついてウチが落ち着いて守れるようになってからは、もう少し清水は工夫が必要だったのかなと思います」
まさにこの言葉どおりの展開だった。清水はP・ウタカと鄭に当てる単調な攻撃を繰り返し、流動的な崩しはほとんど見られず。しかも、肝心の2トップの距離感は悪く、ろくにパス交換すらできなかった。これでは、自ら潰しどころを相手に晒しているようなものだ。
後半の途中からはまるで2トップにボールが入らず、前線で待つ彼らはフラストレーションを募らせ、清水のゲームプランは崩壊した。そして、カウンターから失点を繰り返す――清水のゲーム運びには、明らかに応用力と修正力が欠けていた。
「ただ前頼みの攻撃だけでは厳しいなと思うし、清水らしいサイドでのコンビネーションとかもほとんどありませんでしたから。ちょっと苦しそうだなと思いました」と高木は振り返る。そして、苦しむ古巣に精一杯のメッセージを送った。
「とにかく、清水はJ1に必要なチームだと思うし、選手一人ひとりの能力は高いと思うので、最後まで残留を目指して頑張ってもらいたい。常に(清水の)結果は気にしていますし、嫌で抜けたクラブじゃない。思い入れもあるから、頑張って(J1に)残ってほしい」
その想いは、果たして届くだろうか。シーズン終了まで6試合を残し、残留圏の15位までは勝点8差。奇跡以上の“伝説”を作らない限り、J2降格は避けられない。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
「(清水の)カウンターは迫力があったし、危ないなというのはありましたが、点差がついてウチが落ち着いて守れるようになってからは、もう少し清水は工夫が必要だったのかなと思います」
まさにこの言葉どおりの展開だった。清水はP・ウタカと鄭に当てる単調な攻撃を繰り返し、流動的な崩しはほとんど見られず。しかも、肝心の2トップの距離感は悪く、ろくにパス交換すらできなかった。これでは、自ら潰しどころを相手に晒しているようなものだ。
後半の途中からはまるで2トップにボールが入らず、前線で待つ彼らはフラストレーションを募らせ、清水のゲームプランは崩壊した。そして、カウンターから失点を繰り返す――清水のゲーム運びには、明らかに応用力と修正力が欠けていた。
「ただ前頼みの攻撃だけでは厳しいなと思うし、清水らしいサイドでのコンビネーションとかもほとんどありませんでしたから。ちょっと苦しそうだなと思いました」と高木は振り返る。そして、苦しむ古巣に精一杯のメッセージを送った。
「とにかく、清水はJ1に必要なチームだと思うし、選手一人ひとりの能力は高いと思うので、最後まで残留を目指して頑張ってもらいたい。常に(清水の)結果は気にしていますし、嫌で抜けたクラブじゃない。思い入れもあるから、頑張って(J1に)残ってほしい」
その想いは、果たして届くだろうか。シーズン終了まで6試合を残し、残留圏の15位までは勝点8差。奇跡以上の“伝説”を作らない限り、J2降格は避けられない。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)