【清水】新体制の初陣で見えた、ふたつの変化とひとつの不変

カテゴリ:日本代表

増山直樹(サッカーダイジェスト)

2015年08月13日

守備でのプレーインテンシティは間違いなく上がった。

選手個々の守備意識、球際の激しさは明らかに増した。六平も慣れない左SBでハードワーク。あとは、いかに個のパワーを全体に還元できるかだが……。写真:田中研治

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「とにかく悔しい」と会見で感情をあらわにした田坂新監督は、「7割はできたが、3割ができなかった」と湘南戦の敗北を振り返った。
 
【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・6節
 
 オウンゴールとセットプレーからという“もったいない”失点を喫して敗れたものの、全体的に見れば戦えていた。だからこそ指揮官は、7割の部分で及第点を与えたのだろう。それでも総合的な印象は、悪くはないが、良くもない程度。年間順位でも再び最下位に沈み、依然として厳しい戦いが続く。
 
 ここでは、やや時期尚早かもしれないが、新体制の初陣で見られたポイントを踏まえつつ、大榎前体制との戦い方の違いを挙げていく。
 
【変化①】 球際でのアグレッシブさ
 
 まず大きな変化として見られたのが、球際の激しさだろう。前線から最終ラインまで各々が身体を投げ打つ場面は増え、守備でのプレーインテンシティは間違いなく上がっている。
 
 練習から緊張感を保ち、「戦えない選手は使わない」と断言する田坂監督にとって、今後も局面の激しさが生命線となるはずだ。それは選手も理解しており、「隙を作ってはいけない」(竹内)という意識は、チームの共通認識になりつつある。
 
 とりわけ、1対1で相手を阻止するプレーはアグレッシブさを増している。以前は寄せに行くだけで相手に接触できないなど甘いマークが目立ったが、躊躇なく身体をぶつけるシーンが増加。角田やC・ヨンアピンら武闘派CBはもちろん、不慣れな左SBに入った六平もハードワークできていた。
 
 ただし、アグレッシブな球際とラフプレーは紙一重。この日は審判の曖昧な判定基準に助けられた部分もあったが、やや遅れ気味のタックルが多く、試合が荒れた要因にもなっていた。C・ヨンアピン、P・ウタカ、M・デュークの3人が累積警告2枚で出場停止にリーチをかけており、“ファウルトラブル”には注意を払いたい。
 
 また、個のアグレッシブさがチーム全体として上手く集約されていないのも気が掛かり。ひとりで止める意識が強いあまり、周囲と連動して囲い込む守備はさほど見られなかった。まだ船出の段階でそれを問うのは酷かもしれないが、より連動性を伴った激しさを身に付けたいところだ。
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