2部のチームを率いたことはなかった
こうしてカリーレは1年目にして一躍名監督の仲間入りを果たした。ブラジルの多くの名門からもオファーが寄せられる中、彼は突如サウジアラビアのアル・ヴェハダの監督となる。思えばこの頃から彼はサプライズ移籍が得意だったようだ。一説によるとこの移籍は家族の意向だったとも言われてる。
しかし1年後、彼は請われて再びでコリンチャンスに戻ってくる。この時チームが提示した報酬は以前の倍だった。
2019年、彼は再びサウジアラビアに飛ぶ。多くのブラジルのクラブに望まれ、サウジアラビア代表監督の話もあったが、彼が選んだのはアル・イティハドだった。
1年半後、サンパオリの後任としてサントスの監督に就任。後任を誰に任すか、サントス幹部や元選手たちが会議を開いたが、そこでカリーレの名前を出したのがペレだったという。しかし残念ながら良い結果を出せず、22年2月に解任を告げられた。
しかし1年後、彼は請われて再びでコリンチャンスに戻ってくる。この時チームが提示した報酬は以前の倍だった。
2019年、彼は再びサウジアラビアに飛ぶ。多くのブラジルのクラブに望まれ、サウジアラビア代表監督の話もあったが、彼が選んだのはアル・イティハドだった。
1年半後、サンパオリの後任としてサントスの監督に就任。後任を誰に任すか、サントス幹部や元選手たちが会議を開いたが、そこでカリーレの名前を出したのがペレだったという。しかし残念ながら良い結果を出せず、22年2月に解任を告げられた。
しかし若く優秀な監督は引く手あまたで、その2か月後には彼はすでにアトレティコ・パラナエンセのベンチに座っていた。だが21日間、7試合を率いただけで、ここも解任されてしまう。コパ・リベルタドーレスでボリビアのストロンゲストに0-5の大敗をしてしまったことが引き金だった。
南米ではボリビアは最弱のイメージがある。サポーターは彼を激しく非難し、カリーレ自身もチーム離れることを望んだ。短期間に2つのチームで首を切られ、カリーレにとっては難しい時期だったろう。
そんなところに来たのが長崎からのオファーだった。彼は新たな世界に興味を感じたのか、話が来てから一週間もしないうちに契約を結んだ。
いずれにしても、こうして長崎は首尾よく最高レベルの指揮官を手に入れた。多分ここ20年間に日本のチームがブラジル相手に行ったオペレーションの中で、最もクレバーな買い物だったのではないだろうか。彼は聡明で、まじめで、冷静で、若い選手を育てるのがうまい。彼のサッカーは守備的すぎると言う者もあるが、私はそうは感じない。
それにしても、どこの国においても2部のチームを率いたことのなく、次期代表監督とまで言われる智将が、なぜ日本の2部チームを引き受けたのかは、我々ブラジル人にとっては大きな謎である。しかも、同じタイミングで3つのブラジルのチーム(セアラ、フォルタレサ、フラメンゴ)もからオファーを受けていたにもかかわらずだ。
長崎はなにか我々が知らないとてつもないビッグプロジェクトを計画しているのか? そんな声も聞こえてくる。とにかく、長崎とカリーレにとってこのエンゲージメントが幸せであることを祈ってやまない。
文●リカルド・セティオン(text by Ricardo SETYON)
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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南米ではボリビアは最弱のイメージがある。サポーターは彼を激しく非難し、カリーレ自身もチーム離れることを望んだ。短期間に2つのチームで首を切られ、カリーレにとっては難しい時期だったろう。
そんなところに来たのが長崎からのオファーだった。彼は新たな世界に興味を感じたのか、話が来てから一週間もしないうちに契約を結んだ。
いずれにしても、こうして長崎は首尾よく最高レベルの指揮官を手に入れた。多分ここ20年間に日本のチームがブラジル相手に行ったオペレーションの中で、最もクレバーな買い物だったのではないだろうか。彼は聡明で、まじめで、冷静で、若い選手を育てるのがうまい。彼のサッカーは守備的すぎると言う者もあるが、私はそうは感じない。
それにしても、どこの国においても2部のチームを率いたことのなく、次期代表監督とまで言われる智将が、なぜ日本の2部チームを引き受けたのかは、我々ブラジル人にとっては大きな謎である。しかも、同じタイミングで3つのブラジルのチーム(セアラ、フォルタレサ、フラメンゴ)もからオファーを受けていたにもかかわらずだ。
長崎はなにか我々が知らないとてつもないビッグプロジェクトを計画しているのか? そんな声も聞こえてくる。とにかく、長崎とカリーレにとってこのエンゲージメントが幸せであることを祈ってやまない。
文●リカルド・セティオン(text by Ricardo SETYON)
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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