故障のリスクを高めているのは――。
気になるところを挙げると、歩いたり走ったりする際に左肩が下がっていることです。
利き足が左で、その左足を使うことが多いため、身体の右側、つまり右足に重心がかかりすぎているのがその理由でしょう。
人はどちらかに傾こうとするとき、無意識のうちに上半身で“カウンター”を取るものです。例えば、右に重心がかかっている場合、上半身は本能的に左へと倒れることでバランスを取ろうとします。
また、左インサイドでシュートする場合でも、体幹は相対的に左方向へ屈曲・回旋・側屈します。これも左肩が下がる要因です。
これは右足を使う際にもディスアドバンテージになります。右足でシュートを打ったりパスを出そうとすれば、一度左足に重心を移動させなければなりません。このため動きがワンテンポ遅れるだけでなく、体幹軸がブレてしまうため、相手に動きを読まれやすくなるのです。
この点は、プレーの幅を考えると改善の余地があると言えるかもしれません。
また、右に荷重しすぎていると、当然のように右膝や右足首の故障のリスクが高まります。
軸足は重心がブレないように股関節が内旋方向に入るのですが、あまりその内旋が強すぎると「ニーイン」と呼ばれる、膝が内側に入りすぎる状態を生みます。この状態で膝に体重がかかれば、当然ながら怪我の危険性が高くなります。
例えばコパ・アメリカのブラジル戦でも、左サイドからドリブルで縦に仕掛け、抜ききらないままクロスを上げるシーンがありましたが、前述したような身体の使い方のままスピードに乗ったドリブルを仕掛けると、膝や足首などに負担がかかる恐れがあります。
プレースタイルとの兼ね合いもありますので一概には言えませんが、医学的な観点からは、右半身に重心がかかりすぎないよう心掛ける必要があるでしょう。
分析:中根正登(フィジカリズム/理学療法士)
取材・文:澤山大輔(フィジカリズム代表)
【分析者プロフィール】
中根正登(なかね・まさと)
理学療法士。フィジカル・コンサルティングチーム『フィジカリズム』副代表。トリガーポイント療法・関節系テクニック・東洋医学などを組み合わせ、多角的な視点から関係性を捉え、治療効果の即時性&持続性向上に力を注ぐ。幅広い人脈を持ち、某超有名ミュージシャンなどをクライアントに持つ。
利き足が左で、その左足を使うことが多いため、身体の右側、つまり右足に重心がかかりすぎているのがその理由でしょう。
人はどちらかに傾こうとするとき、無意識のうちに上半身で“カウンター”を取るものです。例えば、右に重心がかかっている場合、上半身は本能的に左へと倒れることでバランスを取ろうとします。
また、左インサイドでシュートする場合でも、体幹は相対的に左方向へ屈曲・回旋・側屈します。これも左肩が下がる要因です。
これは右足を使う際にもディスアドバンテージになります。右足でシュートを打ったりパスを出そうとすれば、一度左足に重心を移動させなければなりません。このため動きがワンテンポ遅れるだけでなく、体幹軸がブレてしまうため、相手に動きを読まれやすくなるのです。
この点は、プレーの幅を考えると改善の余地があると言えるかもしれません。
また、右に荷重しすぎていると、当然のように右膝や右足首の故障のリスクが高まります。
軸足は重心がブレないように股関節が内旋方向に入るのですが、あまりその内旋が強すぎると「ニーイン」と呼ばれる、膝が内側に入りすぎる状態を生みます。この状態で膝に体重がかかれば、当然ながら怪我の危険性が高くなります。
例えばコパ・アメリカのブラジル戦でも、左サイドからドリブルで縦に仕掛け、抜ききらないままクロスを上げるシーンがありましたが、前述したような身体の使い方のままスピードに乗ったドリブルを仕掛けると、膝や足首などに負担がかかる恐れがあります。
プレースタイルとの兼ね合いもありますので一概には言えませんが、医学的な観点からは、右半身に重心がかかりすぎないよう心掛ける必要があるでしょう。
分析:中根正登(フィジカリズム/理学療法士)
取材・文:澤山大輔(フィジカリズム代表)
【分析者プロフィール】
中根正登(なかね・まさと)
理学療法士。フィジカル・コンサルティングチーム『フィジカリズム』副代表。トリガーポイント療法・関節系テクニック・東洋医学などを組み合わせ、多角的な視点から関係性を捉え、治療効果の即時性&持続性向上に力を注ぐ。幅広い人脈を持ち、某超有名ミュージシャンなどをクライアントに持つ。