レアル・マドリーを牽引する「10番」ハメス・ロドリゲスは何が凄いのか――フィジカル的側面から解き明かす

カテゴリ:メガクラブ

澤山大輔

2015年09月04日

注目すべきは股関節の可動域と重心の位置。

マドリーの「10番」ハメスの凄さを、フィジカル的側面から解き明かす。 (C) Getty Images

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 いま、レアル・マドリーでひと際まばゆい輝きを放っているのが、ハメス・ロドリゲスだ。
 
 リーガ・エスパニョーラ2節のベティス戦では、2ゴール・1アシストの大活躍でチームに今シーズン初勝利をもたらしたが、そのゴールがいずれも圧巻だった。
 
 38分の1点目は角度のないところからFKを直接突き刺し、49分の2点目はオーバーヘッドを決めた。
 
 超名門クラブの「10番」がすっかり板に付いたこのライジングスターは、何が優れているのか。フィジカル面からその凄さを紐解いてみよう。
 
――◆――◆――
 
 特長は、なんといっても股関節の可動域の広さでしょう。尋常ではありません。
 
 とくに左足の外旋(外側に回す動き)の幅が、異常と形容していいほどに広く、膝とつま先が完全に外側を向いてしまうほどです。これが、パスとシュートの精度の高さにつながっています。
 
 広島の佐藤寿人選手がノミネートされたことでも話題になったFIFAプスカシュ賞(年間最優秀ゴール賞)を受賞した、2014年ワールドカップ・ウルグアイ戦でのハーフボレー。このゴールこそ、まさにその特長のなせる業だと言えるでしょう。
 
 胸トラップから右足を軸に半転して左足で決めたゴールですが、上半身はゴールの方向に向きながら、左足のつま先だけが外側に向いていました。
 
 股関節の可動域が広いため、このように上半身と下半身の動きが分離し、そのため相手に次のプレーが読まれにくいというメリットが生まれるのです。
 
 背骨を捻る動き(回旋・側屈要素)が少ないように見えるのも、股関節の可動域が広いからでしょう。背骨の捻りが少なければ、体幹軸はブレにくく、上半身の予備動作も少なくなります。予備動作が少ないことも、“読まれにくさ”につながります。
 
 逆に、背骨の前後方向への動きには柔軟性があるように見受けられます。背骨が前後方向に柔軟性だと、骨盤も前後傾に動きやすくなります。そのメリットは、例えば、トップスピードに乗ったドリブルから、繊細なタッチのパスを出すことができる。
 
 実際、ハメス選手は股関節周りの前後の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)を微細に操ることができるため、速い動きからでも緩急をつけたボールコントロールができているのではないでしょうか。
 
 映像からのインプレッションですが、重心の位置も独特です。一般的には、第二仙椎(骨盤の中心的な骨)より少し前が重心の位置と言われていますが、ハメス選手はそれよりも上方、胸の中心からやや下に意識を置いている感じがします。
 
 そうすると体幹はアップライト(直立)になりやすく、体幹がアップライトなら視野を確保しやすく、周囲の状況を的確に判断することが可能になります。

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