自信を持ってプレーできるか
自分たちでボールを握り、ラインを高く押し上げ相手を押し込む。常に能動的に動くのが川崎の真骨頂だが、相手の守備陣形を崩すような、攻撃の局面を一気に加速させるような、鋭い縦パスや仕掛けは、技術力、ポジショニング、自分たちで描く共通の絵に、自信があってこそ表現できるものだろう。
カウンターのリスクを常に背負いながら、それでも強気にボールを動かし、勝負するからこそ、観る者の想像を超える魅力的な崩しが実現できる。そのベースにあるのは、止める・蹴る、局面を見て判断する“目”への自信であったはずだ。
最後の切り札として71分に送り出されたFW小林悠の言葉にも今のチームの状況が表われているように感じる。クラブと長年、苦楽を共にしてきたストライカーは自身もチームの助けになれなかったことを悔しがりながら、試合後、紡ぎ出すように話してくれた。
「前節(札幌戦に)勝って、良い流れでいけるかなと感じたんですが、今日は相手のほうが良いサッカーをしていたと思います。もう少し相手陣地でボールを持っている時に、相手を動かすこと、攻めるタイミングを合わせていく必要があるかなと。
なんて表現すれば良いか難しいですが……相手コートで回して、押し込んでタイミングを見て背後を取る。でも、今は選択肢がなくなったところで攻めていると言いますか、自分たちでコントロールして攻めているというよりも、自分たちで回して出すところがなくなって、勝負球を入れるしかない状況で入れて取られるシーンが多かったと言いますか……、自信を持って相手コートに入って、ボールを握るところ、そこをやり直さなくちゃいけないのかなと、今日の試合では感じましたね。
やっぱり成功体験を積み重ねていかないと、どれが正解だと分からないと思いますし、必要なのはやっぱりゴールだと思うんです。ゴールを決めていくことで、こうやってやればゴールは決まるんだなと成功体験を積み重ねていく。それにチャレンジしている段階ですが、ゴールが決まってくれば、一気に自信をもって崩せるようになると思いますし、良い攻撃につながるはずなので、やっぱりゴールにつなげたいですね」
カウンターのリスクを常に背負いながら、それでも強気にボールを動かし、勝負するからこそ、観る者の想像を超える魅力的な崩しが実現できる。そのベースにあるのは、止める・蹴る、局面を見て判断する“目”への自信であったはずだ。
最後の切り札として71分に送り出されたFW小林悠の言葉にも今のチームの状況が表われているように感じる。クラブと長年、苦楽を共にしてきたストライカーは自身もチームの助けになれなかったことを悔しがりながら、試合後、紡ぎ出すように話してくれた。
「前節(札幌戦に)勝って、良い流れでいけるかなと感じたんですが、今日は相手のほうが良いサッカーをしていたと思います。もう少し相手陣地でボールを持っている時に、相手を動かすこと、攻めるタイミングを合わせていく必要があるかなと。
なんて表現すれば良いか難しいですが……相手コートで回して、押し込んでタイミングを見て背後を取る。でも、今は選択肢がなくなったところで攻めていると言いますか、自分たちでコントロールして攻めているというよりも、自分たちで回して出すところがなくなって、勝負球を入れるしかない状況で入れて取られるシーンが多かったと言いますか……、自信を持って相手コートに入って、ボールを握るところ、そこをやり直さなくちゃいけないのかなと、今日の試合では感じましたね。
やっぱり成功体験を積み重ねていかないと、どれが正解だと分からないと思いますし、必要なのはやっぱりゴールだと思うんです。ゴールを決めていくことで、こうやってやればゴールは決まるんだなと成功体験を積み重ねていく。それにチャレンジしている段階ですが、ゴールが決まってくれば、一気に自信をもって崩せるようになると思いますし、良い攻撃につながるはずなので、やっぱりゴールにつなげたいですね」
そして、そう口にした後に小林が「次、勝てるようにやっていきたい」と切り替えたように、指揮官もこの敗戦を糧にしなくてはいけないと話す。
「タイトルのかかった、またACLにつながる大会なので、重要視していました。ただこの世界は結果が白黒出てしまう。そういう意味でいうと、失ったものも大きいですが、それ以上にここから飛躍するしかない。それがチームが強くなっていく一番必要なことだと思います。負けをしっかり受け止めて、次につなげていかないと意味のない敗戦になってしまう。そこは自分もそうですし、選手に伝えて、(中2日でのリーグ戦。ホーム・)磐田戦にしっかり勝利したいです」
後半開始から登場した脇坂泰斗も前を向いた。
「自分も勝ち切るために仕事をしたかったですが、そこが結果的にゼロだったので申し訳ないです。雨に関わらず多くの方に応援に来ていただいたのに、ホームでひとつのタイトルを落とすのは非常に情けないと言いますか……。
それでもまたすぐにホームでリーグ戦がありますし、監督も話していましたが、サッカーの悔しさはサッカーで晴らすしかない。僕たちには狙えるタイトルがあと2つあるので全力で掴みにいくために、次の磐田戦を勝ちにいきたいです」
メンバーが入れ替わり、今季は新たなサッカーを作り出すための助走期間――そう個人的には感じている。だからこそ我慢の戦いは続くのだろう。それでも栄光を掴むためには生みの苦しみは必須である。天皇杯での敗戦が再びチームを高みに導く経験になることを今は信じたい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
「タイトルのかかった、またACLにつながる大会なので、重要視していました。ただこの世界は結果が白黒出てしまう。そういう意味でいうと、失ったものも大きいですが、それ以上にここから飛躍するしかない。それがチームが強くなっていく一番必要なことだと思います。負けをしっかり受け止めて、次につなげていかないと意味のない敗戦になってしまう。そこは自分もそうですし、選手に伝えて、(中2日でのリーグ戦。ホーム・)磐田戦にしっかり勝利したいです」
後半開始から登場した脇坂泰斗も前を向いた。
「自分も勝ち切るために仕事をしたかったですが、そこが結果的にゼロだったので申し訳ないです。雨に関わらず多くの方に応援に来ていただいたのに、ホームでひとつのタイトルを落とすのは非常に情けないと言いますか……。
それでもまたすぐにホームでリーグ戦がありますし、監督も話していましたが、サッカーの悔しさはサッカーで晴らすしかない。僕たちには狙えるタイトルがあと2つあるので全力で掴みにいくために、次の磐田戦を勝ちにいきたいです」
メンバーが入れ替わり、今季は新たなサッカーを作り出すための助走期間――そう個人的には感じている。だからこそ我慢の戦いは続くのだろう。それでも栄光を掴むためには生みの苦しみは必須である。天皇杯での敗戦が再びチームを高みに導く経験になることを今は信じたい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)