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プロ育成を標榜する相生学院高が女子サッカー部を創設。実績十分の熊田監督は「早いタイミングで結果が出る」と展望

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2022年06月21日

「女性は理解してから行動。手法は少し変える必要がある」

男子サッカー部一期生からは2人のJリーガーを輩出。同校初のJ1プレーヤーとなった神戸の日髙(ジェリー監督の手前)はACLでプロデビューを飾った。写真提供:相生学院高

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 結局、明治国際医療大学で指導した3年間で、前十字靭帯を断裂する選手はひとりも出なかった。また同時に女性特有のコンディション調整法も検証してきた。

「チームを生理のタイミングで3つのグループに分けます。最も生理から遠い選手がA、整理が近づいてきている選手がB、生理に入っている選手がC。Cはトレーニングの強度を完全に抑えてしまい、次戦はAとBで臨む。こうしていくと総体的に良いコンディションを保つことができました。結局サッカーは最低でも15人以上良い選手を揃えないと勝てません。こうした繊細な気遣いが必要になってくると思います」

 もちろん女子ならではの難しさも熟知している。

「男性は頭で理解する前に、まず行動する傾向がありますが、女性は理解してから行動します。サッカー選手としてどこへ導くべきか、どのような精神状態でサッカーをさせることができるかという点で男女に差異はありませんが、手法は少し変える必要があるでしょう」

 一方、熊田監督を支えるヘッドコーチには、なでしこリーグの湯郷Belleで活躍してきた道上愛子氏が着任している。

 改めて熊田監督が今後の展望を語る。

「関西には日ノ本学園高校、大商学園高校、大阪学芸高校、大阪桐蔭高校など強豪高校がひしめき、むしろ強化に好都合だと思います。当然、男子の実績を見れば、女子も早いタイミングで結果が出てくると思いますよ」
 
 2011年にワールドカップを制して以来、日本の女子サッカーは世界の波に呑み込まれつつある。

「なでしこジャパンは持久力と足もとの技術に磨きをかけてパスサッカーを展開し、世界の頂点に立ちました。これは女子サッカーの黎明期を象徴する『パワーサッカーの終焉』を意味していたのかもしれない。 私はやがて男女でスタイルの違いがない日がくると思います。そのためにも日本は初心に戻り、技術、スピード、体力、体格、戦術、戦略等を磨き、独特の速いパスサッカーを展開する代表チームを創り上げる必要がある。そこで活躍できるような選手を育成していくことが私の役割だと思っています」

 男子で旋風を巻き起こした相生学院だけに、女子も斯界の起爆剤としても注目を集めそうである。

取材・文●加部 究(スポーツライター)

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