「荒野の決闘」のようだった遠藤と米本の1対1。
5分のアディショナルタイムで、とてもいいシーンがあった。
右サイドでボールを持った遠藤が、じりじりと東京ゴールへと迫っていく。その遠藤のマークを買って出たのが米本だった。この1対1が、なかなか味わい深かったのだ。
遠藤はすぐには仕掛けず、「どこからでも取りに来てください」と挑発するかのように、左足で細かくボールを触りながら間合いを詰めていく。ふたりは3秒ほど、静止に近い状態で睨み合った。
それは大げさにいえば、荒野の決闘のようなシーンだった。
「さあ、これから私が敵を片付けてみせますよ」、「やれるものならどうぞ」という遠藤と米本の心の声が聞こえてくるかのようである。
遠藤は果敢に内側へ切れ込み、米本はしぶとく食らいつく。この勝負は引き分けのような結果に終わったが、こんなに面白い1対1をJリーグで堪能したのは久しぶりだった。私は淡泊なパスサッカーよりも、こういうこってりとした男臭い勝負を見たいのである。
4日後、カシマスタジアムに舞台を移して、鹿島と東京の第2ラウンドが行なわれる。前編がこれだけ面白かったのだから、続編にも十分に期待していいはずだ。
取材・文:熊崎敬
右サイドでボールを持った遠藤が、じりじりと東京ゴールへと迫っていく。その遠藤のマークを買って出たのが米本だった。この1対1が、なかなか味わい深かったのだ。
遠藤はすぐには仕掛けず、「どこからでも取りに来てください」と挑発するかのように、左足で細かくボールを触りながら間合いを詰めていく。ふたりは3秒ほど、静止に近い状態で睨み合った。
それは大げさにいえば、荒野の決闘のようなシーンだった。
「さあ、これから私が敵を片付けてみせますよ」、「やれるものならどうぞ」という遠藤と米本の心の声が聞こえてくるかのようである。
遠藤は果敢に内側へ切れ込み、米本はしぶとく食らいつく。この勝負は引き分けのような結果に終わったが、こんなに面白い1対1をJリーグで堪能したのは久しぶりだった。私は淡泊なパスサッカーよりも、こういうこってりとした男臭い勝負を見たいのである。
4日後、カシマスタジアムに舞台を移して、鹿島と東京の第2ラウンドが行なわれる。前編がこれだけ面白かったのだから、続編にも十分に期待していいはずだ。
取材・文:熊崎敬