バロテッリをプレーさせるために他の誰をメンバーから外す?

バロテッリの存在を意識するより、悪童を気持ち良くプレーさせるほどの高度なトップ下としてのプレーが本田には必要だ。「練習の出来次第でメンバーを選ぶ」と指揮官は明言しており、厳しい反面、やり甲斐はこれまで以上にあるだろう。 (C) Getty Images
それなのに、なぜかバロテッリは戻ってきた。ミランは、以前の彼とは違うと主張するが、我々メディアをはじめとする“外野”は納得していない。25歳までこんな状態だった彼が、そう簡単に変わるとは思えないのは当然だろう。
ただ、希望があるとしたら、それは2つ。バロテッリ自身が、これが本当に最後のチャンスであり、失敗すればもうサッカー界に居場所はないということを、本当に自覚していること。そしてもうひとつは、今シーズン終了後に欧州選手権が控えているということである。
ミハイロビッチ監督は、「私の指示に従うならばプレーをさせる。そうでなければピッチには入れない」と語り、アズーリのアントニオ・コンテ監督は「クラブでコンスタンツにプレーし、結果を出している選手からメンバーを選ぶ」と指針を示している。
つまり、心から愛する代表のユニホームを着てプレーするために、バロテッリはミランで懸命にプレーする必要があるのだ。
バロテッリ自身は、自分は生まれ変わったと主張している。まあ、まずはお手並み拝見といこう。
ミランのスタッフは現在、彼が落ち着いてプレーできるよう細心の気配りをしている。記者がバロテッリに関する質問ばかりをするとミハイロビッチは怒るし、広報はバロテッリの行動を秘密にし、ガッリアーニは「あまり彼に構わないでくれ」と懇願する。
しかし、バロテッリはバロテッリ、彼を無名の選手と同様には扱えない。
ミラニスタにとってバロテッリの帰還は、彼らの負けを意味した。彼らにとって、バロは失敗の象徴でもあるのだ。ゼロから新たにスタートしようとするチームには確実な基礎固めが必要だというのに、わざわざ不穏の種を招き入れることはないではないか? そうミラニスタは反対したが、クラブは聞き入れなかった。
さて、バロテッリ加入で気になるのは、彼をプレーさせるために、現在スタメンに入っている選手の誰を外すのか? ということだ。
2トップのカルロス・バッカとルイス・アドリアーノは、新顔のなかでは数少ない、機能している選手たちである。彼らを外すことは考えられない。そこでミハイロビッチは、バロテッリを彼らの少し後ろに置き、3トップでプレーさせることも考えている。
もしそうなれば、本田圭佑にとってはあまり嬉しくないニュースとなるのだが、それを心配する必要はほとんどないだろう。
ミハイロビッチ自身、この3トップは緊急事態に対する対処法のひとつだと明言している。例えば、強力な相手からどうしても点をもぎ取らなければならない時、最後の15分だけという限定的な布陣ということだ。
バロテッリ自身が自己犠牲の精神を持ち合わせた選手ではなく、彼を入れた3トップの固定はありえない。ほとんどの場合、バロテッリは、バッカかL・アドリアーノのどちらかのポジションでプレーするはずだ。
本田にとって、バロテッリは注意すべきライバルではない。ちなみに、先日のエンポリ戦でトップ下として先発したスソも、現時点ではライバルとは言えない。インサイドハーフとしてユライ・クツカが加入した今、トップ下には本田とジャコモ・ボナベントゥーラが定着するだろう。
ちなみに本田は、ミランに加入してからの半年間、バロテッリとともにプレーしている。だから互いのことはよく分かっているだろうし、どちらもどんなチームメイトとも一緒にプレーできると言われている。
バロテッリの加入でミランがどうなるかという不安は消えないが、本田が心配すべきことは何もないのである。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
ただ、希望があるとしたら、それは2つ。バロテッリ自身が、これが本当に最後のチャンスであり、失敗すればもうサッカー界に居場所はないということを、本当に自覚していること。そしてもうひとつは、今シーズン終了後に欧州選手権が控えているということである。
ミハイロビッチ監督は、「私の指示に従うならばプレーをさせる。そうでなければピッチには入れない」と語り、アズーリのアントニオ・コンテ監督は「クラブでコンスタンツにプレーし、結果を出している選手からメンバーを選ぶ」と指針を示している。
つまり、心から愛する代表のユニホームを着てプレーするために、バロテッリはミランで懸命にプレーする必要があるのだ。
バロテッリ自身は、自分は生まれ変わったと主張している。まあ、まずはお手並み拝見といこう。
ミランのスタッフは現在、彼が落ち着いてプレーできるよう細心の気配りをしている。記者がバロテッリに関する質問ばかりをするとミハイロビッチは怒るし、広報はバロテッリの行動を秘密にし、ガッリアーニは「あまり彼に構わないでくれ」と懇願する。
しかし、バロテッリはバロテッリ、彼を無名の選手と同様には扱えない。
ミラニスタにとってバロテッリの帰還は、彼らの負けを意味した。彼らにとって、バロは失敗の象徴でもあるのだ。ゼロから新たにスタートしようとするチームには確実な基礎固めが必要だというのに、わざわざ不穏の種を招き入れることはないではないか? そうミラニスタは反対したが、クラブは聞き入れなかった。
さて、バロテッリ加入で気になるのは、彼をプレーさせるために、現在スタメンに入っている選手の誰を外すのか? ということだ。
2トップのカルロス・バッカとルイス・アドリアーノは、新顔のなかでは数少ない、機能している選手たちである。彼らを外すことは考えられない。そこでミハイロビッチは、バロテッリを彼らの少し後ろに置き、3トップでプレーさせることも考えている。
もしそうなれば、本田圭佑にとってはあまり嬉しくないニュースとなるのだが、それを心配する必要はほとんどないだろう。
ミハイロビッチ自身、この3トップは緊急事態に対する対処法のひとつだと明言している。例えば、強力な相手からどうしても点をもぎ取らなければならない時、最後の15分だけという限定的な布陣ということだ。
バロテッリ自身が自己犠牲の精神を持ち合わせた選手ではなく、彼を入れた3トップの固定はありえない。ほとんどの場合、バロテッリは、バッカかL・アドリアーノのどちらかのポジションでプレーするはずだ。
本田にとって、バロテッリは注意すべきライバルではない。ちなみに、先日のエンポリ戦でトップ下として先発したスソも、現時点ではライバルとは言えない。インサイドハーフとしてユライ・クツカが加入した今、トップ下には本田とジャコモ・ボナベントゥーラが定着するだろう。
ちなみに本田は、ミランに加入してからの半年間、バロテッリとともにプレーしている。だから互いのことはよく分かっているだろうし、どちらもどんなチームメイトとも一緒にプレーできると言われている。
バロテッリの加入でミランがどうなるかという不安は消えないが、本田が心配すべきことは何もないのである。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。