本田に代わってスソ、ボナベントゥーラがトップ下を務めたが…


揃ってゴールを挙げた2トップ。敗戦に等しい内容の試合を、ふたりの力で勝利に結びつけた。上写真はバッカの先制点、下写真はL・アドリアーノの決勝点。 (C) Getty Images
セリエA第2節、ミランは本拠地サン・シーロでエンポリを2-1で下し、今シーズン初勝利を飾った。
試合は序盤から、アウェーのエンポリが正確なパスワークで主導権を握る。前線でボールを持てるマッシモ・マッカローネが良いアクセントとなって、ミランゴールに迫っていった。
これに対しミランは、前節フィオレンティーナ戦同様に組織的な守備の未熟さを露呈。中盤で相手の攻撃を抑えたり、遅らせたりすることができないため、DF陣は再三にわたって危機に晒された。
そんな状態でも16分に先制できたのは、ひとえに新加入の2トップ、カルロス・バッカとルイス・アドリアーノのおかげだ。
浮き球をしっかりコントロールしたL・アドリアーノが縦パスを送った先には、バッカが走り込んでいた。DFを置き去りにしGKをもかわしてゴールを決める場面は、セビージャでもよく見られたものである。バッカはこれで、今シーズンのミランのファーストスコアラーとなった
しかしミランのリードは、4分しかもたなかった。中盤から送られたボールをマッカローネが背後に送り、走り込んだリッカルド・サポナーラが抜け出して難なく、古巣のゴールを破ったのである。
守備があまりに脆いミラン。絞り込みができないまま、ペナルティエリア手前まで簡単に侵攻を許してしまう。スピードに乗った相手についていくことができず、強烈なシュートを食らう。ボールばかりを見てマークをずらし、背後に危険なパスを何度も通される……。次々に悪い部分が顔を出していった。
守勢に立たされると、当然ながら守りに多くの人数を割かざるをえず、ここでボールを奪っても効果的な攻撃を仕掛けることができない。強力2トップにボールを渡そうにも、ふたりには相手DFがぴったり寄り添っていた。
そこでカギを握るのがトップ下だ。今節は本田圭佑ではなく、スソが起用された。組織が未熟ゆえに少ない人数での攻撃を余儀なくされる現在のミランにおいて、本田よりも打開力のあるスソが適任と判断されたのだろう。
しかし、スソはドリブル突破とキープ力はあるものの、本田とは違って気の利いたパスは全く出せない。時折放つシュートも枠を大きく外れ、2トップとの連係にもほとんど見るべきものはなし。そして55分、ジャコモ・ボナベントゥーラとの交代でピッチを去った。
試合は69分、そのボナベントゥーラが蹴ったCKをL・アドリアーノが頭で叩き込んで勝ち越す。この試合でも再三見せていた彼の空中戦の強さが、ようやくゴール前で活かされた。
2トップのゴールでリードを奪ったミランは、残り20分あまりの大部分を守備に費やすこととなった。ここで守りきれるかどうかは、今後に向けても非常に重要だったが、エンポリがマッカローネを交代で欠いたこと、疲労や焦りで効果的なプレーを見せられなくなったこともあり、全員が守備に奔走したミランは何とか逃げ切った。
とはいえ、内容は明らかにエンポリが上。相手に決定力があれば、開幕戦のような大差のスコアもあり得ただろう。
今シーズン最初のホームゲームにもかかわらず空席が目立ったサン・シーロでは、何度も自チームへのブーイングが鳴り響き、サポーターのチームに対する不信の程がうかがい知れた。
もっとも、シニシャ・ミハイロビッチ監督による、ここ数年で崩壊したミランの改革はまだ始まったばかりである。
高度の組織プレーの浸透はまだ先のことであり、今は各選手が、名門のプライドを持ちながらも、弱者としての自覚を持ち、ハードワークを続けることが大事なのだという。その姿勢を見せられない選手は、間もなく淘汰されていくに違いない。
攻撃では、中盤が機能するまでは2トップに頼らざるをえないだろうが、彼らを最も活かせるトップ下の選定も、指揮官の重要な仕事である。今節で本田、スソ、ボナベントゥーラの候補者3人がこのポジションでプレーしたわけだが、出場時間は短く、誰が適任かの判断は難しいだろう。また、負傷離脱中のジェレミー・メネーズもいる。
ちなみに今節、加入したばかりのMFユライ・クツカが早くも出場を果たした。守備のできる中盤の人材不足ゆえの強行策だったと言えよう。
そしてもうひとり、“出戻り”のマリオ・バロテッリ。こちらはクツカ以上の注目を浴びながらも、ベンチで90分を過ごしたが、果たして今後、強力2トップにどのように絡んでいくだろうか。そしてそれは、いかなる影響をミランに及ぼすのだろうか。
試合は序盤から、アウェーのエンポリが正確なパスワークで主導権を握る。前線でボールを持てるマッシモ・マッカローネが良いアクセントとなって、ミランゴールに迫っていった。
これに対しミランは、前節フィオレンティーナ戦同様に組織的な守備の未熟さを露呈。中盤で相手の攻撃を抑えたり、遅らせたりすることができないため、DF陣は再三にわたって危機に晒された。
そんな状態でも16分に先制できたのは、ひとえに新加入の2トップ、カルロス・バッカとルイス・アドリアーノのおかげだ。
浮き球をしっかりコントロールしたL・アドリアーノが縦パスを送った先には、バッカが走り込んでいた。DFを置き去りにしGKをもかわしてゴールを決める場面は、セビージャでもよく見られたものである。バッカはこれで、今シーズンのミランのファーストスコアラーとなった
しかしミランのリードは、4分しかもたなかった。中盤から送られたボールをマッカローネが背後に送り、走り込んだリッカルド・サポナーラが抜け出して難なく、古巣のゴールを破ったのである。
守備があまりに脆いミラン。絞り込みができないまま、ペナルティエリア手前まで簡単に侵攻を許してしまう。スピードに乗った相手についていくことができず、強烈なシュートを食らう。ボールばかりを見てマークをずらし、背後に危険なパスを何度も通される……。次々に悪い部分が顔を出していった。
守勢に立たされると、当然ながら守りに多くの人数を割かざるをえず、ここでボールを奪っても効果的な攻撃を仕掛けることができない。強力2トップにボールを渡そうにも、ふたりには相手DFがぴったり寄り添っていた。
そこでカギを握るのがトップ下だ。今節は本田圭佑ではなく、スソが起用された。組織が未熟ゆえに少ない人数での攻撃を余儀なくされる現在のミランにおいて、本田よりも打開力のあるスソが適任と判断されたのだろう。
しかし、スソはドリブル突破とキープ力はあるものの、本田とは違って気の利いたパスは全く出せない。時折放つシュートも枠を大きく外れ、2トップとの連係にもほとんど見るべきものはなし。そして55分、ジャコモ・ボナベントゥーラとの交代でピッチを去った。
試合は69分、そのボナベントゥーラが蹴ったCKをL・アドリアーノが頭で叩き込んで勝ち越す。この試合でも再三見せていた彼の空中戦の強さが、ようやくゴール前で活かされた。
2トップのゴールでリードを奪ったミランは、残り20分あまりの大部分を守備に費やすこととなった。ここで守りきれるかどうかは、今後に向けても非常に重要だったが、エンポリがマッカローネを交代で欠いたこと、疲労や焦りで効果的なプレーを見せられなくなったこともあり、全員が守備に奔走したミランは何とか逃げ切った。
とはいえ、内容は明らかにエンポリが上。相手に決定力があれば、開幕戦のような大差のスコアもあり得ただろう。
今シーズン最初のホームゲームにもかかわらず空席が目立ったサン・シーロでは、何度も自チームへのブーイングが鳴り響き、サポーターのチームに対する不信の程がうかがい知れた。
もっとも、シニシャ・ミハイロビッチ監督による、ここ数年で崩壊したミランの改革はまだ始まったばかりである。
高度の組織プレーの浸透はまだ先のことであり、今は各選手が、名門のプライドを持ちながらも、弱者としての自覚を持ち、ハードワークを続けることが大事なのだという。その姿勢を見せられない選手は、間もなく淘汰されていくに違いない。
攻撃では、中盤が機能するまでは2トップに頼らざるをえないだろうが、彼らを最も活かせるトップ下の選定も、指揮官の重要な仕事である。今節で本田、スソ、ボナベントゥーラの候補者3人がこのポジションでプレーしたわけだが、出場時間は短く、誰が適任かの判断は難しいだろう。また、負傷離脱中のジェレミー・メネーズもいる。
ちなみに今節、加入したばかりのMFユライ・クツカが早くも出場を果たした。守備のできる中盤の人材不足ゆえの強行策だったと言えよう。
そしてもうひとり、“出戻り”のマリオ・バロテッリ。こちらはクツカ以上の注目を浴びながらも、ベンチで90分を過ごしたが、果たして今後、強力2トップにどのように絡んでいくだろうか。そしてそれは、いかなる影響をミランに及ぼすのだろうか。