偉大な先輩の系譜を踏襲してほしい
先輩たちが築いてきたものを重く受け止めた吉田が、その後の4年間、必死に守り、日本のレベルアップに最大限の努力を払った事実は誰もが認めるところ。その影響力の大きさは凄まじいものがある。
実際、今回の最終予選では序盤3戦で2敗という絶体絶命のピンチに陥った時も、「万が一、予選敗退でこのチームの活動が終わるなら、そんな不甲斐ない結果になってしまったら、スッパリ辞めようと思います」とまで発言。潔く責任を取る覚悟を示した。
キャプテンにそこまで言わせた森保一監督も選手も奮起しないわけにはいかない。直後のオーストラリア戦から奇跡の復活を遂げられたのも、吉田麻也という人間の気迫と危機感をチーム全体がしっかりと共有したからに違いない。
そんな大黒柱を外すという選択肢は、今のところ指揮官にはないだろう。今回も3試合連続で先発させ、14日のチュニジア戦でもスタメンで送り出すはずだ。
ただ、どんな選手にも怪我はあるし、コンディション不良はつきもの。吉田自身も今年1月の怪我で最終予選の中国・サウジアラビアとの2連戦を棒に振ったばかりでなく、サンプドリアでの出場機会も失った。ここから5か月間も未知数なところがあるため、目の前の1試合1試合を大事にするしかない。「自分自身の価値を示さなければいけない」と本人も語気を強めていただけに、守備陣のリーダーに相応しいパフォーマンスを求めたいものである。
実際、今回の最終予選では序盤3戦で2敗という絶体絶命のピンチに陥った時も、「万が一、予選敗退でこのチームの活動が終わるなら、そんな不甲斐ない結果になってしまったら、スッパリ辞めようと思います」とまで発言。潔く責任を取る覚悟を示した。
キャプテンにそこまで言わせた森保一監督も選手も奮起しないわけにはいかない。直後のオーストラリア戦から奇跡の復活を遂げられたのも、吉田麻也という人間の気迫と危機感をチーム全体がしっかりと共有したからに違いない。
そんな大黒柱を外すという選択肢は、今のところ指揮官にはないだろう。今回も3試合連続で先発させ、14日のチュニジア戦でもスタメンで送り出すはずだ。
ただ、どんな選手にも怪我はあるし、コンディション不良はつきもの。吉田自身も今年1月の怪我で最終予選の中国・サウジアラビアとの2連戦を棒に振ったばかりでなく、サンプドリアでの出場機会も失った。ここから5か月間も未知数なところがあるため、目の前の1試合1試合を大事にするしかない。「自分自身の価値を示さなければいけない」と本人も語気を強めていただけに、守備陣のリーダーに相応しいパフォーマンスを求めたいものである。
世界ランクトップのブラジルとの一戦を振り返ってみると、日本の守備陣はそこまで大崩れすることはなかった。ただ、吉田自身はネイマール(パリSG)やルーカス・パケタ(リヨン)といった強烈アタッカー陣に揺さぶられ、ギャップを作られるシーンも散見された。ネイマールのシュートブロックなど好プレーを連発した板倉に比べると、やや見劣りした印象も拭い切れなかったが、誰よりも賢い吉田なら、自分自身の現在地をよく理解しているはずだ。
サンプドリアで今季終盤はほとんど出番を得られず、守備の感覚を磨く機会が減ったことも多少の影響はあるだろう。が、今回の6月シリーズで継続的にピッチに立ち、本来の鋭さや読み、戦術眼を取り戻すきっかけは掴んだはず。それをチュニジア戦で遺憾なく発揮し、カタールに大きく前進すること。吉田はそこにフォーカスすべきである。
W杯で悲願のベスト8進出を果たすためにも、大ベテランにはもう一段階、飛躍してもらわなければ困る。長谷部が30代半ばからグッと成長したように、8月に34歳になる吉田も偉大な先輩の系譜を踏襲してほしい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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サンプドリアで今季終盤はほとんど出番を得られず、守備の感覚を磨く機会が減ったことも多少の影響はあるだろう。が、今回の6月シリーズで継続的にピッチに立ち、本来の鋭さや読み、戦術眼を取り戻すきっかけは掴んだはず。それをチュニジア戦で遺憾なく発揮し、カタールに大きく前進すること。吉田はそこにフォーカスすべきである。
W杯で悲願のベスト8進出を果たすためにも、大ベテランにはもう一段階、飛躍してもらわなければ困る。長谷部が30代半ばからグッと成長したように、8月に34歳になる吉田も偉大な先輩の系譜を踏襲してほしい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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