「周りに相手が10人ぐらいいるんじゃないかというふうに感じていた」(興梠)
高い守備力を備える浦和から4ゴールを奪った攻撃力は圧巻のひと言だが、それを支えた守備力も特筆すべき“頑丈さ”を誇っていた。
特に、後半の立ち上がりは2点のビハインドを背負う浦和の猛攻を受け、劣勢にさらされたが、この苦しい時間帯をチーム全員の身体を張ったディフェンスで凌ぎ切ってみせる。
ほぼ防戦一方だった後半のスタートからの約15分間は、「あそこで失点していたら分からなかった」(中澤)というターニングポイントでもあった。ズラタンを投入し、興梠との2トップにしてきた浦和に対して少なからず戸惑い、「良い感じで押していた」(興梠)相手に攻め込まれたが、「最終的には中を閉じて、サイドに振ることを徹底した」(中澤)。
前線の枚数を増やして圧力をかけてきた相手にも慌てずに対処し、最後の部分では中澤やファビオの個の強さでシャットアウト。中町、三門の2ボランチも高い危機察知能力を駆使してピンチを未然に握り潰した。
浦和の試みを挫く伝統の堅守があったからこそ、その後の3点目、4点目が生まれたと言っても過言ではなく、試合を通じて横浜の守備には隙がなかった。
「今日は本当に戦い方が徹底されていたというか、前から行かずに引いて、相手のスペースを潰す。それは徹底してできた」(伊藤)
65分にピッチを退いた日本代表の興梠も、この日の横浜の組織的な守備の前では沈黙せざるを得なかった。
「全体的に間延びしたというか、自分のところに(ボールが)入ってきても、周りに相手が10人ぐらいいるんじゃないかというふうに感じていた。キープできなかったし、上手く守られた」
局面での競り合いやルーズボールへの反応など、球際の勝負でも相手を上回り、試合の要所を締めることができていた。盤石の守備から効率良くゴールを奪う――相手の浦和も3連勝と上昇気流に乗っていたが、チームとしての完成度と勢いでは横浜が一枚も二枚も上回っていた。
「ここ最近はチームとしてひとつになり、まとまってきている。相手を尊重しつつも、練習を続けていくなかで生まれた自信を持ってピッチに入れている。そういうなかで、これまで少し物足りなかったフィニッシュのところで、今日はしっかりと決めることができて良かった」(ファビオ)
スコアだけでなく、試合内容でも年間順位で首位に立つ相手をまるで寄せ付けなかっただけに、ラストスパートにさらに弾みが付く完勝と言えるだろう。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
特に、後半の立ち上がりは2点のビハインドを背負う浦和の猛攻を受け、劣勢にさらされたが、この苦しい時間帯をチーム全員の身体を張ったディフェンスで凌ぎ切ってみせる。
ほぼ防戦一方だった後半のスタートからの約15分間は、「あそこで失点していたら分からなかった」(中澤)というターニングポイントでもあった。ズラタンを投入し、興梠との2トップにしてきた浦和に対して少なからず戸惑い、「良い感じで押していた」(興梠)相手に攻め込まれたが、「最終的には中を閉じて、サイドに振ることを徹底した」(中澤)。
前線の枚数を増やして圧力をかけてきた相手にも慌てずに対処し、最後の部分では中澤やファビオの個の強さでシャットアウト。中町、三門の2ボランチも高い危機察知能力を駆使してピンチを未然に握り潰した。
浦和の試みを挫く伝統の堅守があったからこそ、その後の3点目、4点目が生まれたと言っても過言ではなく、試合を通じて横浜の守備には隙がなかった。
「今日は本当に戦い方が徹底されていたというか、前から行かずに引いて、相手のスペースを潰す。それは徹底してできた」(伊藤)
65分にピッチを退いた日本代表の興梠も、この日の横浜の組織的な守備の前では沈黙せざるを得なかった。
「全体的に間延びしたというか、自分のところに(ボールが)入ってきても、周りに相手が10人ぐらいいるんじゃないかというふうに感じていた。キープできなかったし、上手く守られた」
局面での競り合いやルーズボールへの反応など、球際の勝負でも相手を上回り、試合の要所を締めることができていた。盤石の守備から効率良くゴールを奪う――相手の浦和も3連勝と上昇気流に乗っていたが、チームとしての完成度と勢いでは横浜が一枚も二枚も上回っていた。
「ここ最近はチームとしてひとつになり、まとまってきている。相手を尊重しつつも、練習を続けていくなかで生まれた自信を持ってピッチに入れている。そういうなかで、これまで少し物足りなかったフィニッシュのところで、今日はしっかりと決めることができて良かった」(ファビオ)
スコアだけでなく、試合内容でも年間順位で首位に立つ相手をまるで寄せ付けなかっただけに、ラストスパートにさらに弾みが付く完勝と言えるだろう。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)