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フランクフルトを決勝に導いた鎌田大地の“ピルロのような”パス。「ミスターEL」はやはり特別な存在だった【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2022年05月09日

処理しにくいところへ落とされたいやらしいパス

 19分、センターライン付近でパスを受けると右足でボールをじっくり運びながら、視線は前線の変化に送られる。そして相手選手間にできたスペースへダッシュで走りこむイェンス・ベッテル・ハウゲの動きに合わせて放たれたロビングパス。競り合いながらボールへ反応しようとした敵DFアーロン・クレスウェルだったが、マークしながら下がる動きの中でバランスを崩してしまう。

 クリアしきれずに流れるボール。身体を入れ替えて前に出るハウゲを思わず引き倒した瞬間、スタジアムには主審のホイッスルが響いた。最初の判定はイエローカード。だがVARチェックが入り、レッドカードで一発退場となった。

 完全にフリーで抜け出したシーンではない。パスが通らない可能性は少なくはなかった。ただ通ればビックチャンスとなりうる局面でもあった。ハウゲに通すという性質があったのと同時に、クレスウェルが処理しにくいところへ落とされたいやらしいパス。元イタリア代表アンドレア・ピルロのようだった。

【動画】敵DFの退場を誘発!鎌田大地のピルロのようなロングパス
 グラスナー監督がよく口にする「ダイチはインテリジェンスなプレーヤー」というのは自分と味方だけを見てのプレーではないからだ。相手が守りにくいところを認識して、誘いながらボールを運び、パスをさばいていく。

 例えば相手SBを自分のほうへひきつけるようにドリブルをして、サイドにスペースを作ってからフィリップ・コスティッチを走らせる。例えばスルスルとバックステップで相手守備ライン間にポジショニングをしたり、裏のスペースへ走り抜ける動きで揺さぶる。パスが来ないこともあるが、これが相手守備にとっては厄介だ。

 相手からのプレスを受けても、上半身をうまく使って相手との距離を取りながら、バランスを取ってドリブルで持ち運ぶし、味方からのパスを足下深いところまで引き寄せてからダイレクトではたくパスは相手が対応しづらく効果的だ。

 後半は攻め急ぎにならないように攻撃のリズムをコントロールしながら、機を見て鋭いスルーパスやシュートでチャンスに絡み続けていた。パスが出てくれば絶好機という場面もいくつかあった。ゴールとアシストはなかったが、フランクフルトのファンが特別な大会と受け止めているこのELで、「ミスターヨーロッパリーグ」は、この日もやはり特別な存在だった。

文●中野吉之伴
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