強くて怖い攻撃をするチームには、バイタルを上手く使える選手がいる

2015年のウズベキスタン戦では代表での初ゴールをマーク。鮮やかなボレーを沈めた。写真:滝川敏之

代表では香川のクオリティの高さに驚かされたという。自身も今後、さらなる進化を求めていく。(C)SOCCER DIGEST
ハメス・ロドリゲスの日本戦でのハイパフォーマンスに世界の凄みを感じたという青山だが、日本代表や国内のJリーグで活躍する選手のなかにも、過去に衝撃を受けたことがあるという。名手をしてクオリティの高さを感じずにはいられないという選手たちとは?
――◆――◆――
日本代表のなかでもクオリティが高かったのは、なんと言っても(香川)真司ですね。バイタルエリアのところで、ターンしてスピードアップしてくるのは真司が得意とするところですが、スペースのないところでも置き去りにできるタッチの正確さ、あのターンのスピードは見たことがなかった。あれができるから世界で戦えているんだなと感じたものです。
Jリーグでも中盤の選手で言うと、一番バイタルを使えるのは大島選手じゃないでしょうか。それから、対戦する時に意識するのはマルコス・ジュニオール選手。そのふたりのクオリティもまた高いものがありますね。
僕自身、ディフェンスがあまり得意なほうじゃないのですが、彼らがバイタルで前を向いたプレーをすると、ファウルでしか止められなくなります。そこはチームとして大きな武器になるし、Jリーグではそういう選手はなかなか居ませんね。やっぱり強くて怖い攻撃をするチーム、点が獲れるチームには、彼らのようなバイタルを上手く使える選手がいるんです。
自分としても、もう一度Jリーグのトッププレーヤーになるために、よりバイタルで輝けるようになるために、クオリティの部分にはこだわっていきたいです。そこを見せないと、いまの評価は変えられませんから。「あの選手良いね」って評価される選手というのは、何か違うものを示せる選手。それが何かといえば、ミシャさんやザックさんが求めたような危険なプレーができる選手でしょう。
もちろん自分はアタックのところで一番違いを見せていきたいと思っているし、最も相手にとって危険なプレーができる「攻守が切り替わったタイミング」を常に意識しています。相手の意識が攻撃から守備に切り替わる前、攻守のバランスが崩れている間の、いかに限られた時間で勝負ができるか。そこで勝負できるのが自分の良さだと思うし、それができてこそ、より危険な選手だと思うので。もう一回、そういう局面でクオリティの高いプレーを出せるようにしたいですね。
――◆――◆――
19年目を迎えたプロ生活の中で、移籍や他のクラブに興味を持つことはなかったのか。そう青山に問うと「ないですね」と即答。その理由を「このチームが目指すサッカーにチャレンジしていくという目標があったし、それをクリアできればJリーグでもまた結果が出せたから」と明かす。自らの武器に自信を与えてくれた恩師のもとで成長を遂げ、常にクラブが掲げた目標とともに歩んでこられたサッカー人生を「本当に恵まれている」と言う。
今季、チームはリーグ未勝利と足踏みが続くが、シーズンはまだ序盤戦。この先も「この素晴らしいクラブがJリーグで評価を高めていけるように」と願う36歳は、まずは自身のクオリティを高め、チームの巻き返しに力を尽くしていく。
※このシリーズ了
取材・構成●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
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日本代表のなかでもクオリティが高かったのは、なんと言っても(香川)真司ですね。バイタルエリアのところで、ターンしてスピードアップしてくるのは真司が得意とするところですが、スペースのないところでも置き去りにできるタッチの正確さ、あのターンのスピードは見たことがなかった。あれができるから世界で戦えているんだなと感じたものです。
Jリーグでも中盤の選手で言うと、一番バイタルを使えるのは大島選手じゃないでしょうか。それから、対戦する時に意識するのはマルコス・ジュニオール選手。そのふたりのクオリティもまた高いものがありますね。
僕自身、ディフェンスがあまり得意なほうじゃないのですが、彼らがバイタルで前を向いたプレーをすると、ファウルでしか止められなくなります。そこはチームとして大きな武器になるし、Jリーグではそういう選手はなかなか居ませんね。やっぱり強くて怖い攻撃をするチーム、点が獲れるチームには、彼らのようなバイタルを上手く使える選手がいるんです。
自分としても、もう一度Jリーグのトッププレーヤーになるために、よりバイタルで輝けるようになるために、クオリティの部分にはこだわっていきたいです。そこを見せないと、いまの評価は変えられませんから。「あの選手良いね」って評価される選手というのは、何か違うものを示せる選手。それが何かといえば、ミシャさんやザックさんが求めたような危険なプレーができる選手でしょう。
もちろん自分はアタックのところで一番違いを見せていきたいと思っているし、最も相手にとって危険なプレーができる「攻守が切り替わったタイミング」を常に意識しています。相手の意識が攻撃から守備に切り替わる前、攻守のバランスが崩れている間の、いかに限られた時間で勝負ができるか。そこで勝負できるのが自分の良さだと思うし、それができてこそ、より危険な選手だと思うので。もう一回、そういう局面でクオリティの高いプレーを出せるようにしたいですね。
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19年目を迎えたプロ生活の中で、移籍や他のクラブに興味を持つことはなかったのか。そう青山に問うと「ないですね」と即答。その理由を「このチームが目指すサッカーにチャレンジしていくという目標があったし、それをクリアできればJリーグでもまた結果が出せたから」と明かす。自らの武器に自信を与えてくれた恩師のもとで成長を遂げ、常にクラブが掲げた目標とともに歩んでこられたサッカー人生を「本当に恵まれている」と言う。
今季、チームはリーグ未勝利と足踏みが続くが、シーズンはまだ序盤戦。この先も「この素晴らしいクラブがJリーグで評価を高めていけるように」と願う36歳は、まずは自身のクオリティを高め、チームの巻き返しに力を尽くしていく。
※このシリーズ了
取材・構成●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)