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【バイタルエリアの仕事人】vol.11 稲垣祥|「譲れないスペース」に立ち続ける秘訣とは?チームトップの8ゴールが生まれた背景は…

カテゴリ:Jリーグ

渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

2021年11月30日

シュートが決まる時には、そうなるための定義がある

ルヴァンカップ決勝で終盤にダメ押し弾を決めた稲垣。MVPに選出され自身初のタイトルを獲得した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 サッカーにおける攻守の重要局面となる「バイタルエリア」。ゴールや失点に直結する“勝負の肝”となるスペースをいかに攻略するか、死守するかは、多くのチームにとって不偏のテーマだろう。そんな「バイタルエリア」で輝きを放つ選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第11回は、名古屋グランパスの稲垣祥だ。
 
 今季のリーグ戦37節終了時点で、全試合に出場し、チームトップの8ゴールを記録。そんな“仕事人”稲垣にとっての「バイタルエリア」とは――。
 
――◆――◆――
 
 自分にとっての「バイタルエリア」は、「譲れないスペース」。チームとしては、いかに奪い、どちらがそのエリアで主導権を握れるか。その結果によってゲームの流れが変わってくるような場所です。ボランチとして、それに深く関係していかなければなりません。
 
 プレースタイルはこれまでと基本的に変わっていません。よりチームとして勝つために、どういうポジションをとって、どういうプレーをすべきか考えています。若い時は自分の良さを出してプレーしようと心がけていたこともありました。
 
 そんななかで、今季得点を重ねられているのは、やはり今までの経験が大きいと思います。これまでもプロとしてやってきたなかで、いろんなシュートシーンを迎えて、いろんな得点を経験しましたが、同時に何度も外して来ています。
 
 一つひとつのシーンを自分のなかで試行錯誤しながら、自分の経験として、財産として蓄えられていったことが、結果につながっている一因でもあると思います。
 
 自分ではシュートが決まる時には、そうなるための定義があると思っています。重要だと考えているのはリラックス感とナチュラルさ。
 
 練習すればするほど、想定通りの形でボールが転がってくることがあります。その場面では「キタ」と思ってしまうんですよね。
 
 でも、その時点で力みが出てしまう。そこで自分が心がけているのは決めようとし過ぎず、ナチュラルに打てるかどうか。決めてやろうと思っているときはだいたい良いシュートが打てません。経験や年齢を重ねることで自然とシュートが打てる、そんなナチュラルさが出てきた。力みがちょっとずつ抜けてきたイメージがあります。
 
 ただ結局は、ベースは練習があってこそ。学生時代から何本も何本もシュートを打ってきて、かなりの数をこなして来ています。そんな前提として、ある技術をいかにピッチで実際に打てるか。これまでは、練習している割に良いシュートが打てていなかったのだと思います。
 
 試合で発揮するということに目を向けて、練習で何本良いシュートが打てても、試合での1本を決めるということを到達点に定めて、そこから逆算して何が必要かを解きほぐせてきたことが、ここ最近の結果に繋がっているように感じます。
 
 今年は、特別にシュート練習を多くしているというより、むしろ減らしているくらい。感覚を確認するぐらいにして、何本か打って終わりにしています。
 
 どうしてもシュート練習で打ちすぎてしまうと、良くも悪くも頭の中のイメージに引っ張られてしまう。練習でのシチュエーションはやはり練習でしかない。試合の中でシュートを打つ時のリアリティを作るのは難しいからです。
 
 名古屋では狭いコートでのゲーム形式の練習をしていますが、その時のこぼれ球を打つことの方が良い練習になると自分では感じています。
 
 こぼれ球をシュートするには、予測が欠かせません。自分では予測の部分はもともと自信もあって、小さいころから積み上げてきたものがあります。そういう部分の確認にもなるのでおすすめです。
 
 前線のみならず守備も強く意識してプレーしています。名古屋に来てからはチームのバランスをとるために自分がどこにいなければならないか、求められるものに適応するように変わった部分はあるかもしれませんが、守備でも貢献するのが僕のモットーです。
 
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