【藤田俊哉の目】日本代表の「アジア最強論」は、東アジアカップで完全に崩壊した

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2015年08月10日

現主力頼みのチームのままでは、将来的には厳しくなる。

海外という舞台に飛び出した結果、吉田は才能が開花した。そんな吉田に続くCBは、今のところ見つかっていないと思う。写真:SOCCER DIGEST

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 この大会で感じた日本代表の根本的な問題点は、CB不足だ。

 世界的なCBのスタンダードで言えば185センチ以上が一般的になってきていて、守備はもちろん攻撃的センスも要求される。そう考えれば、諸条件をクリアできそうなのは海外組の吉田麻也しかいない。

 世界を見渡せば、CBというのは尋常ではないくらいの大きなスケールの持ち主ばかりなんだ。先日、ヨーロッパリーグのフィテッセ対サウサンプトンを現地で観戦したけれど、吉田が小さく見えてしまうほど、ツワモノたちが集まっていた。

 そんな舞台で戦う吉田は、本当に貴重な経験を積んでいる。さらに厳しいことを言ってしまえば、Jリーグで戦っている選手たちと比べれば、ますますその差は広がってしまうとも感じる。果たして吉田の後ろを振り返った時に何人が続いているのか。残念ながら、答えは「ゼロ」と言わざるをえないのが現状だ。

 中澤に続く選手として吉田が台頭できたのは、彼がJリーグを飛び出してキャリアを重ねてきたことが大きい。もともとポテンシャルも高かったけれど、彼が持っている才能が開花できたのは、海外という舞台に飛び出したのも大きな要因になったはずだ。

 さらには、長く代表の正GKを務める川島永嗣を脅かす選手も育っているとは言えない。そして、その川島ですら欧州で次の移籍先が決まっていない状況にある。そう考えれば、より不安はつきまとう。

 川島はすでに32歳だし、吉田だってそろそろ27歳になる。単純に考えても、次のロシア大会ではさらに3年という月日が流れる。

 現主力頼みのチームのままでは、将来的には厳しくなる。チームの安定にもつながるGKとCBの強化は欠かせない。日本代表の「未来」のために、若手の積極的な起用と、若手自身のさらなる奮起に期待したい。
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