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【インターハイ準決勝】東福岡 5-2 立正大淞南|ムービングスタイルの毎熊晟矢が目指す“赤い彗星”の新たなCF像

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2015年08月09日

春先のプレミアリーグでチャンスを掴みスタメンの座を掴む。

藤川(6番)のゴールをアシストした毎熊。これまでの東福岡にはないタイプのCFとして、自分のスタイルを貫くつもりだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 この試合で毎熊の存在感の高さを証明したのは、2-1で迎えた前半33分のシーンだ。マイボールになった瞬間、毎熊は素早く中盤に落ち、縦パスを受けると、相手を背負いながら素早くターン。前にできたスペースに向かってドリブルをすると、左サイドの橋本に展開。橋本のクロスのこぼれを、シャドーの藤川が蹴り込んだ。さらに後半2分にはクサビを受けた毎熊が、タメを作って、近づいてきた藤川へパス。これを受けた藤川が豪快なミドルを突き刺し、試合を決定付ける4点目をアシストした。
 
「正直、東福岡でFWとしてプレーするには、木戸さんや木藤さんのようなプレーをしないといけないと思う時期もありました。でも、同学年にはそのタイプの餅山(大輝)もいるし、やっぱり自分は自分のプレーをしようと思いました」
 
 昨年まではBチームでプレーしたCFにとって、Aチームでプレーすることは大きな目標だった。しかし、毎熊の前にはタイプが違い、そしてライバルの存在という大きな壁があった。だが、そこで自分らしさを捨てるのではなく、『自分なりのセンターフォワード像』を追求した。
 
 そんな毎熊にチャンスがやってきたのは、春先のプレミアリーグWEST2節のG大阪ユース戦だった。この試合で餅山が負傷し、次節の名古屋U18戦で毎熊がCFに入った。すると、この試合で彼は2ゴールを挙げ、勝利に貢献。そこからCFで起用されるようになった。
 
 自分を信じ抜いたからこそ、掴んだチャンス。今大会も『新たなセンターフォワード像』を体現し、チームを牽引している。
 
 これまでの4試合でノーゴール。「ゴールを決めていないので、全然だめです」と言うが、それ以上に毎熊が周りに“点を取らせている”のは事実だろう。
 
 今大会も残り1試合。ファイナルでこれまで通りのプレーをして、かつゴールを奪う。毎熊晟矢は変わらず自分を信じて、『赤い彗星』の新型ストライカーとして、躍動を誓う。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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