【東京V】08年以来のJ1も見えてきた? GM、指揮官、選手が語る快進撃の理由

カテゴリ:Jリーグ

海江田哲朗

2015年08月08日

強さの根幹はチームスポーツの原理原則にあり。

今季から主将を任されているCBの井林は、抜群の安定感を誇るDFに成長。チームの快進撃を支えるひとりだ。(C) SOCCER DIGEST

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 東京Vに他を圧する特別な強さがあるかと言えば、そうではない。07年、37ゴールをマークしてJ1に導いたフッキのような、単独で試合を決定づけられる選手もいない。正直なところ、『これがズバリ好調の要因』といったものを探ろうとしても、筆者は答えに窮する。
 
 戦術は、前線から激しくプレッシャーをかけ、高い位置から仕掛けるショートカウンターが基軸に据えられている。相手を押し込み、ボールポゼッションで優位に立てば、じっくり回しながら攻略を試みる。
 
 だが、それ一辺倒ではなく、スカウティングによって最終ラインの裏に弱みがあると見れば、徹底して長いボールを使うなど、臨機応変、攻め手を変えてくる。相手からすれば、対策が容易ならざるチームだ。
 
 シーズン前半は人数をかけて守ってくるチ-ムに苦戦していたが、そこをこじ開け、ドローで終わっていたのを勝ちに変えられるようになってきた。7月、高木善朗が加入したことも大きい。攻撃のバリエーションが広がり、相手に与える脅威は格段に増した。
 
 このように妥当に思える理由をいくつか挙げることは可能だが、それらは枝葉に過ぎない。根幹はチームスポーツの原理原則を大事にしていることだ。公平な競争であり、人と人との結びつきであり、あって当たり前とされるものが案外そうではなく、その得がたさを体現しているように見える。
 
「昨季のJ2の成績を目安に、今季の目標を設定しています。最低でも確保したいのは勝点60(昨季9位)。できれば勝点64(同6位)まで到達したい」(竹本GM)
 
 そのうえ、自動昇格の2位以内の目標は設定していない。昨季の2位は松本山雅の勝点83。今季、2位以下は混戦で、ラインは確実に下がる。
 
「今のうちはノープレッシャーですから、選手たちは存分にプレーできています。差し迫った状況になってくると、そう簡単にはいかないでしょう。昇格争いのライバルとぶつかる最後の4連戦あたり、さてどうなることやら」と竹本GM。不安よりも、のるかそるかの大一番の到来を楽しみにしている様子だ。
 
取材・文:海江田哲朗(フリーライター)
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