強さの根幹はチームスポーツの原理原則にあり。
東京Vに他を圧する特別な強さがあるかと言えば、そうではない。07年、37ゴールをマークしてJ1に導いたフッキのような、単独で試合を決定づけられる選手もいない。正直なところ、『これがズバリ好調の要因』といったものを探ろうとしても、筆者は答えに窮する。
戦術は、前線から激しくプレッシャーをかけ、高い位置から仕掛けるショートカウンターが基軸に据えられている。相手を押し込み、ボールポゼッションで優位に立てば、じっくり回しながら攻略を試みる。
だが、それ一辺倒ではなく、スカウティングによって最終ラインの裏に弱みがあると見れば、徹底して長いボールを使うなど、臨機応変、攻め手を変えてくる。相手からすれば、対策が容易ならざるチームだ。
シーズン前半は人数をかけて守ってくるチ-ムに苦戦していたが、そこをこじ開け、ドローで終わっていたのを勝ちに変えられるようになってきた。7月、高木善朗が加入したことも大きい。攻撃のバリエーションが広がり、相手に与える脅威は格段に増した。
このように妥当に思える理由をいくつか挙げることは可能だが、それらは枝葉に過ぎない。根幹はチームスポーツの原理原則を大事にしていることだ。公平な競争であり、人と人との結びつきであり、あって当たり前とされるものが案外そうではなく、その得がたさを体現しているように見える。
「昨季のJ2の成績を目安に、今季の目標を設定しています。最低でも確保したいのは勝点60(昨季9位)。できれば勝点64(同6位)まで到達したい」(竹本GM)
そのうえ、自動昇格の2位以内の目標は設定していない。昨季の2位は松本山雅の勝点83。今季、2位以下は混戦で、ラインは確実に下がる。
「今のうちはノープレッシャーですから、選手たちは存分にプレーできています。差し迫った状況になってくると、そう簡単にはいかないでしょう。昇格争いのライバルとぶつかる最後の4連戦あたり、さてどうなることやら」と竹本GM。不安よりも、のるかそるかの大一番の到来を楽しみにしている様子だ。
取材・文:海江田哲朗(フリーライター)
戦術は、前線から激しくプレッシャーをかけ、高い位置から仕掛けるショートカウンターが基軸に据えられている。相手を押し込み、ボールポゼッションで優位に立てば、じっくり回しながら攻略を試みる。
だが、それ一辺倒ではなく、スカウティングによって最終ラインの裏に弱みがあると見れば、徹底して長いボールを使うなど、臨機応変、攻め手を変えてくる。相手からすれば、対策が容易ならざるチームだ。
シーズン前半は人数をかけて守ってくるチ-ムに苦戦していたが、そこをこじ開け、ドローで終わっていたのを勝ちに変えられるようになってきた。7月、高木善朗が加入したことも大きい。攻撃のバリエーションが広がり、相手に与える脅威は格段に増した。
このように妥当に思える理由をいくつか挙げることは可能だが、それらは枝葉に過ぎない。根幹はチームスポーツの原理原則を大事にしていることだ。公平な競争であり、人と人との結びつきであり、あって当たり前とされるものが案外そうではなく、その得がたさを体現しているように見える。
「昨季のJ2の成績を目安に、今季の目標を設定しています。最低でも確保したいのは勝点60(昨季9位)。できれば勝点64(同6位)まで到達したい」(竹本GM)
そのうえ、自動昇格の2位以内の目標は設定していない。昨季の2位は松本山雅の勝点83。今季、2位以下は混戦で、ラインは確実に下がる。
「今のうちはノープレッシャーですから、選手たちは存分にプレーできています。差し迫った状況になってくると、そう簡単にはいかないでしょう。昇格争いのライバルとぶつかる最後の4連戦あたり、さてどうなることやら」と竹本GM。不安よりも、のるかそるかの大一番の到来を楽しみにしている様子だ。
取材・文:海江田哲朗(フリーライター)