尚志への進学を決めたのは「第97回選手権の染野選手のハットトリックを見て」
「ボールをもらう前に上半身でフェイクを入れてから受けた方が相手は惑わされます。特に相手CBとの駆け引きは大事で、自分がフリーでボールを受けるために、足もとに受けるフリをして裏に抜けたり、裏に抜けるフリをしてボールを受けに行ったりしています」
高度な頭脳戦を仕掛け、最後は身体能力で相手を凌駕する。このプレーぶりは尚志の偉大な先輩ストライカーである染野唯月(鹿島)に少し似ている。当然、網代が今目標にしているのも染野だ。
「尚志に来たのは染野唯月選手や阿部要門(ラインメール青森)選手のように強いFWがよく育つチームだと思ったし、第97回選手権の染野選手のハットトリック(準決勝の青森山田戦)を見て、『自分もあんなFWになりたい』と思って決めました。僕も染野選手のように2年生で活躍して、高卒プロを目指しています」
自らのプレーによってその可能性を広げている網代。この大会でさらに存在感をアピールし、染野を超える存在になるべく、その成長を止めることはない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)