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【女子アジア杯総括】同格以上に勝ち切れない悪癖を払拭できず。植木理子の本格化など収穫はあったが…

カテゴリ:女子サッカー

西森彰

2022年02月11日

正念場を乗り越えるための共通認識までは持てず

収穫のひとつは、大会通算5ゴールをマークした植木の活躍ぶり。新エース候補に名乗りをあげた。(C)AFC

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 直前の国内合宿では、自チームのコンセプトと各選手のコンディションをチェックしていたが、現地では「試合に出ていた選手はしっかりと回復、リカバリー。そうでない選手は、次の試合に向けてコンディションを保つというのを意識してやっています。(試合に向けた練習は)例えば、マンツーマンでくるチームが相手だったら、そういったマンツーマン的なメニューやちょっときつめのメニューが多かったりしました」(宝田沙織)。

 それぞれの試合に向けての準備も怠らず、中3日に開いた準決勝前には、スイッチの入れ方も再チェックした。ボールを握り続けて試合を支配。多くの選手がゴールに絡み、士気も上昇。同時期に新体制をスタートした中国との準決勝(2-2、PK3-4)で、大会を後にするとは思えなかったのだが……。

 今大会の計3失点で、きれいに決められたゴールは、中国戦の1点目だけ。その他は、死に物狂いの相手に、セットプレーから与えた事故のような失点ではあった。しかし、失点した韓国戦、中国戦はいずれも先にリードを奪うなど、2試合で3回のアドバンテージを全てフイにしたのだから、「それが現在の実力」と認めざるを得ない。

 個々を見れば、豊富な経験値のある選手もいた。だが、チームとして正念場を迎えた時に、それを乗り越えるための共通認識までは持てていなかった。韓国戦では「引き分け以上で1位抜け」という条件を、全員が頭では理解しながら、その方法論は異なっていた。それを教訓とした中国戦では、逃げ切りに徹していたが、相手のコーナーフラッグ付近までどうやってボールを運ぶかの道筋までは見えなかった。
 
 少し力の落ちる相手には圧勝するが、同格以上には勝ち切れない。この悪癖を払しょくするには、骨のある相手からの勝利という成功体験を積み重ねるだけだ。日本を破った中国は、ノックアウトステージの3試合全てで、ビハインドをはね返し、優勝の栄冠を手にした。勝者が得たもの、敗者が失ったものは、アジアナンバーワンの称号にとどまらない。

 新エース候補に名乗りをあげた植木理子の本格化など、収穫は小さくない。それだけに、この苦い経験を、先につなげていかなければならない。新型コロナがいまだに猛威を振るうなか、難しい状況は続くが、今後のマッチメイクを含めて、なでしこジャパンの総合力が問われている。

取材・文●西森彰(フリーライター)

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