これらを踏まえて新シーズンのフォーメーションを見立てていきたいのだが、やはり前線の３枚は強力である。あらゆるプレーをハイレベルにこなす興梠に、高いパス能力を持つシャビエル。そして爆発的な走力を持つ小柏剛が並べば、あらゆる策で攻め立てられる。時には金子拓郎もここに加わるだろうし、青木亮太の非凡なセンスもより引き出されそう。ペトロヴィッチ監督が志向する攻撃的なスタイルがより色濃く、魅惑的なものになっていきそうな気配がする。

　ただし、これから始まるシーズンの序盤戦は、まずは昨季の戦力が優先されると予想する。興梠は浦和時代にペトロヴィッチ監督のもとでプレーをしているため戦術理解は十分だが、コンビネーションを重視しポジションチェンジを多用するやり方に新加入のシャビエルが馴染むまでにはある程度の時間が必要だろう。これはシャビエルだからというわけではなく、昨季も補強選手が定位置を奪取することなくシーズンを終えている故の見立てである。

　また、ペトロヴィッチ監督は一昨季からピッチ全体でのマンツーマンディフェンスを採用しており、興梠もこれを新たに身に着ける必要がある。そうしたことを考えると序盤戦は既存の戦力で連動性を押し出しながら、そこに興梠とシャビエルを徐々に馴染ませていくマネジメントになると予想するのが妥当だろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部