ペレグリーニはベティスで幸せな日々を過ごしている。自らを崇拝するファンと良好な関係を築き、自由に決定できる裁量権を持ち、セカンドハウスを所有するマルベージャ（地中海に面したリゾート地）から２時間半程度の距離にあるセビージャでの生活を満喫している。

　悪態をつくようなことは皆無で、ホアキンのウィットに富んだ言動にも微笑む。もっとも唯一、その穏やかな性格が一変する時がある。それは試合に負けた後で、周囲を困惑させるほど不機嫌になるそうだ。
 

　いまやベティス史上最高の勝率（53.3％）を誇る監督でもある。今シーズンの成績だけに絞ってみても、22試合を終えて勝点40は史上２番目の数字だ。ちなみに史上１位はロレンソ・セラ・フェレール政権下の1996―97シーズンの勝点45。最終的に３位のデポルティボと同勝点の77で、４位フィニッシュした。そのシーズンはコパ・デル・レイでも快進撃を見せファイナルに進出。バルセロナに延長戦の末、２－３で敗れ準優勝に終わっている。また2021年の29という勝利数は、ベティス歴代最多だ。

　ペレグリーニは去年の９月で68歳になった。欧州５大リーグでは、先月25日にワトフォードの新指揮官に就任したロイ・ホジソン（74歳）に次いで２番目の高齢監督だ。昨年12月にはベティスとの契約を2025年６月まで延長した。エル・インヘニエロにはまだ時間が残されている。

文●ラファエル・ピネダ（エル・パイス紙アンダルシア地方のクラブ番）
翻訳●下村正幸

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