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「カマダはファンタスティックだ」指揮官が絶賛する鎌田大地は何が凄いのか。攻守両面の“止まらない進化”に迫る【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2022年02月01日

なぜボールを奪いきれるようになったのか

ここまでの出場時間はチームで4番目。いまや不可欠な存在だ。(C)Getty Images

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 鎌田に関して言えば、パスレシーバーとしての価値がまず非常に大きい。相手守備の間にスペースができる瞬間をうまく認知することができるのだ。他の選手がまだ気づいていない、あるいはないと思っているスペースを見つけている。だからまだパスコースが開ききる前から動き出すことができる。

「え? なんでそこに動くの? 相手選手がたくさんいるじゃん」――。そんな心配はご無用だ。数秒後に、相手のマークが外れて、パスコースができているという場面が何度もあるのだ。そして最近のフランクフルトの試合を見ていると、CBのセンターでプレーしている長谷部誠からの鋭い縦パスを起点に攻撃を組み立てるシーンが増えているが、パスの行き先は日本代表の後輩ということが本当に多い。

 パスを受けた後のプレークオリティも増している。すぐにターンして攻撃を仕掛ける、簡単に近くの味方にあてる、しばらくボールを落ち着かせえ、味方がポジションを取る時間を作り出すーー。その判断が優れているので、鎌田を経由することでフランクフルトの攻撃は一気に加速することも、変化をつけることもできる。

 そうした特徴や長所に加えて、今シーズンは守備における貢献度も素晴らしい。以前まではボール保持者に寄せるだけで、そこから奪いに行くというのは多くはなかったのだが、今季は相手陣内で鎌田のボール奪取からチャンスというシーンがとても増えているのだ。

 それが単発ではなく、試合を通じて常に見られている。足を止めることなくプレスに入り、相手の前でスピードを上げて一気に寄せながら、交わされることなく身体をねじ込んでボールを奪いきるスキルを身につけつつある。

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 それができるようになっている背景として、これまでの取り組みも関わっている。一昨シーズン、サイドハーフとして起用される時期があったのだが、その時にこんなことを話していた。

「カウンターのシーンであれだけうまく長いスプリントをしてチャンスを作れていた。こっちにきてそういう速いサッカーをしてる中で、自分自身ああいうプレーもできるようになってきている。うちは特に速いと思うし、(フィリップ)コスティッチとか本当に速い。しっかり長いスプリントとかをもっとできるようになっていけばね、もう少し成長できるのかなと思います」

長い 距離を何度もダッシュで上下動するのだから、身体へかかる負荷は相当に高い。でもそれを自分の成長のためのプラスととらえて、前向きに取り組めるかどうか。あるいは愚痴をいって、どこかでさぼろうとするのか。それはのちに大きな差となって表れてくるはずだ。

いまの鎌田は普通に何度も長い距離をダッシュで走ることができる。それがあるからプレスの連続で相手を追い込むことにも順応できている。そしてボールを奪いきる、フィフティフィフティのボールを自分のものにできる頻度が増えている。

 それがあったうえで、19節のアウグスブルク戦のように圧巻のゴールを決めるのだから、選手としての評価はうなぎのぼりだ。中断前のビーレフェルト戦で負った負傷が心配だが、いち早く復帰をしてまた躍動感あふれるプレーを披露してほしい。ヨーロッパリーグでもブンデスリーガでも、フランクフルトがここから上位進出するために、この25歳の力は欠かせないのだ。

文●中野吉之伴

【動画】「メッシみたいなかわしかた」とファン絶賛!鎌田大地の華麗なフェイント弾をチェック
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