意識改革の背景
審判委員会はシーズン開幕を前に、監督、選手に実際のプレー映像をもとに競技規則を解説するための「レフェリングスタンダード」と呼ばれる映像を独自に制作してきた。この制作過程に、2020年からJリーグの認識を取り入れる、という変革が実行されている。そうやって擦り合わされた認識が、前述の「反則じゃないものは、ファウルにするな、というようなメッセージ」であり、「原さんからのフェアでタフでエキサイティングっていうメッセージ」だった。扇谷副委員長はこのふたつを「競技規則を使いながらどう擦り合わせて、魅力的なサッカーを見せて行くのかを考える立場だった」と振り返る。
そうやって大きな方向性が定まった2020年、21年シーズンについて、レフェリーはどこまで適応できたのか。
「審判員のレベル感には当然幅がありまして。今度は逆に反則なもの、本来取らなきゃいけないものを取らなくなってしまったというのは、J2、J3で少しありました。もちろん簡単ではないです。ただその(誤審の)幅感は減ってきてますが、まだ少なからずあるのかなと」
その一方で、クラブサイドも激しさやタフさを受け入れてきているのではないかと扇谷副委員長は話す。
「2020年に原さんからのメッセージをもらい、21年にはベンチマナーを取り上げました。コロナになって声が聞こえるということもあったので。そういった原さんからのメッセージに対し、チームの皆さん、選手の皆さんっていうのは基本的に、それをやろうという意識は高いと思います」
そうした流れの中、イエローカードに対する認識も変化しているのだという。
そうやって大きな方向性が定まった2020年、21年シーズンについて、レフェリーはどこまで適応できたのか。
「審判員のレベル感には当然幅がありまして。今度は逆に反則なもの、本来取らなきゃいけないものを取らなくなってしまったというのは、J2、J3で少しありました。もちろん簡単ではないです。ただその(誤審の)幅感は減ってきてますが、まだ少なからずあるのかなと」
その一方で、クラブサイドも激しさやタフさを受け入れてきているのではないかと扇谷副委員長は話す。
「2020年に原さんからのメッセージをもらい、21年にはベンチマナーを取り上げました。コロナになって声が聞こえるということもあったので。そういった原さんからのメッセージに対し、チームの皆さん、選手の皆さんっていうのは基本的に、それをやろうという意識は高いと思います」
そうした流れの中、イエローカードに対する認識も変化しているのだという。
「何でもかんでもカードを出せばいいってもんじゃないっていうのもありますし、選手の変化もあると思います。例えば今、シュミレーションなんてほとんどないですよ。選手も無駄なカードをもらわないようになってきています」
それは退場のリスクを避ける傾向が一因にあるのではないかと扇谷副委員長。
「これは推測ですが、例えば出場停止で出られなくなるとか、試合中に10人になってしまうとか、そのようなリスクを考えて試合運びをしてるのかなと思っています」
審判委員会、Jリーグが取り組んだ意識改革の成果のひとつとして審判を大人数で囲い込んでの抗議が減少したと扇谷副委員長は指摘する。「見苦しいという認識が定着しているのではないか?」との質問に対し「それはリーグを中心に、クラブ、選手の理解はあると思います。試合を見に来たお客さんたちにとってどうか、という視点もあるのだと思います」と話す。
タフで激しいプレーを選手やクラブが許容し、それと同時にレフェリーがプレーを適切に判定するよう努力する。そうしたお互いの姿勢が、結果的に判定を巡る選手とレフェリーの深刻な対立の減少につながり、それらが総体的に反則ポイントの減少につながっているのではないかとの分析があるようだ。
結果的に改革は順調に進展しているように思えるが、扇谷副委員長は自身の手柄ではないと話す。
「改革とかは全然思っていなくて。たまたまそういう流れに私がなったのかなと。2018年からVARを準備していて、リーグの方たちとも色々話す機会があった。そういったタイミングがうまくマッチしたのかなと」
また、2019年には大きな判定ミスもあり、そんな時代背景の中「改革とは思わなかったですけど、我々が実際に何をするかというと、ようは審判に対してもやっぱりメッセージってのは必要だと思ってまして。たまたまタイミング的にそういう、いろんなものが重なって、リーグともいろんな話ができたところかなという風に思っています」と扇谷副委員長は振り返る。
それは退場のリスクを避ける傾向が一因にあるのではないかと扇谷副委員長。
「これは推測ですが、例えば出場停止で出られなくなるとか、試合中に10人になってしまうとか、そのようなリスクを考えて試合運びをしてるのかなと思っています」
審判委員会、Jリーグが取り組んだ意識改革の成果のひとつとして審判を大人数で囲い込んでの抗議が減少したと扇谷副委員長は指摘する。「見苦しいという認識が定着しているのではないか?」との質問に対し「それはリーグを中心に、クラブ、選手の理解はあると思います。試合を見に来たお客さんたちにとってどうか、という視点もあるのだと思います」と話す。
タフで激しいプレーを選手やクラブが許容し、それと同時にレフェリーがプレーを適切に判定するよう努力する。そうしたお互いの姿勢が、結果的に判定を巡る選手とレフェリーの深刻な対立の減少につながり、それらが総体的に反則ポイントの減少につながっているのではないかとの分析があるようだ。
結果的に改革は順調に進展しているように思えるが、扇谷副委員長は自身の手柄ではないと話す。
「改革とかは全然思っていなくて。たまたまそういう流れに私がなったのかなと。2018年からVARを準備していて、リーグの方たちとも色々話す機会があった。そういったタイミングがうまくマッチしたのかなと」
また、2019年には大きな判定ミスもあり、そんな時代背景の中「改革とは思わなかったですけど、我々が実際に何をするかというと、ようは審判に対してもやっぱりメッセージってのは必要だと思ってまして。たまたまタイミング的にそういう、いろんなものが重なって、リーグともいろんな話ができたところかなという風に思っています」と扇谷副委員長は振り返る。