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「ああ、無敗を止めちゃったなぁ…」痛恨ミスの“新主将”金古聖司を救った恩師の言葉「早く負けて良かったよ」

カテゴリ:日本代表

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2022年01月08日

49勝2分けの金字塔。最後まで貫いた究極の“型”

超攻撃的なスタイルを完成させた志波監督。現在も総監督の立場で、ヒガシのイズムを注入している。(C)SOCCER DIGEST

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 やがて、運命のホイッスルが鳴り響く。インターハイ、全日本ユースに続く戴冠で、前人未到の3冠制覇を果たした瞬間だ。

「笛が鳴って、なにか大きなことをやり遂げたんだなって実感が湧いてきました。先生は『3冠は後から付いてくるもの』とずっと言っていて、周りはいろいろ騒ぐんだけど、僕らは目の前の1試合1試合にただ集中していた。本当のところ、最後の選手権を楽しんで勝とう、としか考えていなかった。プレッシャーなんて感じてなかったんです。だからみんな、優勝が決まった時も涙はなくて、ただ笑顔、笑顔でしたね」

 ベースにあったのは途轍もない自信と、極限にまで深めた信頼関係だ。

「このサッカーをやれば負けない。特にインターハイに勝ってからは、試合を重ねるごとにみんなで自信を深めていきましたね。選手権に入ってからも3回戦の国見戦や準決勝の丸岡戦は簡単じゃなかった。でも、負ける気はまったくしなかった。失点しても攻撃陣が取ってくれますからね(笑)。

 ここに出せばああ動く。そこがダメならじゃあこっち。いろんな“型”があって、そのすべてをとことんまで磨き上げた。チーム全体がどんなシチュエーションでも予見して動けるんです。あんな完成度の高いチーム、そうそうなかったと思いますよ」
 

 先生への感謝もこみ上げてくる。

「Jのサテライトや大学のチームとかとしょっちゅうゲームを組んでくれて、それでも僕たちは負けなかったから、大きな自信に繋がった。先生はいつも長距離の遠征でもバスを運転してくれて、しんどかったと思うんです。厳しいところもあったけど、僕ら選手のことを第一に考えてくれた。サッカーを心底楽しめる環境を作ってくれた。少しは優勝で、恩返しができたかもしれない。

 ヒガシに入学して本当に良かったなってつくづく思うんです。入部してなきゃ絶対にプロにはなれてなかったし、いまでもお父さん世代に『あの雪の決勝の金古さんですよね?』って言ってもらえるなんて、やっぱり幸せじゃないですか」
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