「前育の完成度の高さにちょっとだけ引けていた」「延長戦やPK戦に行っていたら負けていたかもしれない」
――宮本選手はなぜ相手が前橋育英で良かったのですか?
宮本:プリンスリーグ関東の第3節で対戦した時に、0-3で負けたんです。僕はその試合には出ていなくて、外から見ていたのですが、うちがあれだけやられている姿に物凄く悔しい気持ちになりました。それからインターハイ準決勝で当たった時は、この大会の一番の山場だと思っていたので、リベンジもかけて全力でぶつかりました。この試合は1-0で勝って、僕らが全国制覇できたのですが、プリンス関東後期で戦った時は前橋育英もリベンジに燃えていて、バチバチのゲームになったんです。でも負けてしまって、1勝2敗になったので「最後は選手権の舞台で絶対に決着をつけたい」と思っていたので、組み合わせ抽選が決まった時に前橋育英と戦うには決勝まで行かないといけない状況だったので、僕もチームも「決勝で前橋育英を倒して優勝する」と本気で思えたんです。
宮本:プリンスリーグ関東の第3節で対戦した時に、0-3で負けたんです。僕はその試合には出ていなくて、外から見ていたのですが、うちがあれだけやられている姿に物凄く悔しい気持ちになりました。それからインターハイ準決勝で当たった時は、この大会の一番の山場だと思っていたので、リベンジもかけて全力でぶつかりました。この試合は1-0で勝って、僕らが全国制覇できたのですが、プリンス関東後期で戦った時は前橋育英もリベンジに燃えていて、バチバチのゲームになったんです。でも負けてしまって、1勝2敗になったので「最後は選手権の舞台で絶対に決着をつけたい」と思っていたので、組み合わせ抽選が決まった時に前橋育英と戦うには決勝まで行かないといけない状況だったので、僕もチームも「決勝で前橋育英を倒して優勝する」と本気で思えたんです。

前橋育英のボランチとして攻守の大黒柱として奮闘した田部井。優勝に大きく貢献した。写真:サッカーダイジェスト

宮本は流経大柏の中盤を支え、決勝でも前橋育英の前に立ちはだかった。写真:サッカーダイジェスト
田部井:僕らにとっても流通経済大柏はインターハイで負けて、そのまま日本一をとったチームで本当に悔しかったし、選手権前に同じ関東代表でプレミアリーグ参入戦に挑んだのですが、僕らは決定戦で負けて、優太たちは勝ってプレミア昇格を果たしたので、そこにも悔しい気持ちはありました。それを考えたら、僕らが高3の時は流通経済大柏というのは自分たちの上を行く特別な存在だったんです。だからこそ、僕も決勝で流通経済大柏を倒して優勝したいと思っていました。
宮本:お互いライバル視していたよね。
――だからこそあの激闘が生まれたのですね。
宮本:間違いありません。ただ、試合中に僕らは前育の完成度の高さにちょっとだけ引けてしまった部分は正直ありました。それは試合後にチームメイトとも話しました。前育の圧倒的な攻撃力に対して、僕らは守備から入るということは試合前から決めていたのですが、ちょっと守勢に回りすぎたねと。(菊地)泰智(流経大→サガン鳥栖入団内定)の良さをあまり引き出せなかったし、試合後にみんなで本音で語り合った時に、その内容を聞いて「やっぱり前育は強かったんだな」と思いました。
田部井:実は僕らもちょっとまずいぞと感じている部分はありました。決勝の大舞台であれほどお互いの持ち味を出しきれている試合ってあんまりないと思うんですよね。僕はあのまま後半を0-0で終えて、延長戦やPK戦に行っていたら負けていたかもしれないと思っていました。だからこそあの(榎本)樹のゴールは物凄くデカかったなと。よく言う接戦って、お互いの良さを潰し合うことが多いと思うのですが、あの試合は本当にお互いの良さをぶつけ合った試合だったので、逆に延長戦に入ったら危なかったなと思っています。
宮本:実は僕たちも「延長かPKまで持ち込めば必ず勝てる」と思っていました。スタッフも「最後の時間は凌げ」と言われたので、それが出来なかったのが本当に敗因です。
田部井:後半はさらに攻撃的に出ていたので、「このまま粘られるとまずいな」と言うのが感覚的にありました。何回かピンチもあったので、一発の怖さは凄まじかったので、その脅威などを考えると、「延長以降、分は流通経済大柏にあるな」と思っていました。
宮本:体力にも自信があったので、延長戦に行けばいけると言う気持ちはピッチもベンチも思っていたと思います。「あと5分耐えよう」と思っていたけど、その気持ちは打ち砕かれました。