2010年W杯の直後には香川や内田が大きな飛躍を遂げた。爆発の可能性を追求するべき
最終予選では欧州組中心の構成になるのだから、いずれにしてもウズベキスタン戦での試運転に多大な効果は望めない。それなら「Jリーグにもこんなに良い選手がいることを見て頂きたい」(森保監督)という趣旨を優先し、代表経験が乏しく少しでも化ける可能性のある選手たちの抜擢に重きを置くべきだ。最終予選でスタメン起用が確実視される前述のベテラン組はオフに入るので、慎重な指揮官は試合勘を確認しておきたいところだろうが、それ以上に彼ら以外の選択肢を探るのは喫緊の課題だ。もしウズベキスタン戦で大迫を使えば、たぶん今回招集したようなFWを使う機会は次期体制に移行するまで訪れない。4年に1度のタイミングで旬な選手を網羅するのは勇気の要る作業だ。
しかし例えば2010年南アフリカ・ワールドカップの直後には、最終メンバーから漏れた香川真司や、本大会では出場機会のなかった内田篤人が大きな飛躍を遂げている。森保体制で臨む以上、これからチームの核は変わらない。だが日本は、これから世界との差を劇的に縮めていかなければ目標には到達できない。こうした現実を見据えれば、安定より少しでも爆発の可能性を追求していく必要がある。つまり現主力に続く選手の確認ではなく、別の個性の取り込みだ。
4-3-3を選択したのは、ボランチ候補が稲垣祥しか見当たらないからだ。今回最優先に試しておきたいのは、移籍確定での離脱がなければ前述の前田、荒木、旗手、それに瀬古歩夢、上田綺世を加えた5人。彼らは少なからず現中心メンバーに割って入るか、刺激を与えられる存在になる可能性を秘めている。くれぐれもせっかくの機会に中途半端な「Jリーグ選抜」をピッチに送り出す愚だけは避けて頂きたい。
文●加部 究(スポーツライター)
4-3-3を選択したのは、ボランチ候補が稲垣祥しか見当たらないからだ。今回最優先に試しておきたいのは、移籍確定での離脱がなければ前述の前田、荒木、旗手、それに瀬古歩夢、上田綺世を加えた5人。彼らは少なからず現中心メンバーに割って入るか、刺激を与えられる存在になる可能性を秘めている。くれぐれもせっかくの機会に中途半端な「Jリーグ選抜」をピッチに送り出す愚だけは避けて頂きたい。
文●加部 究(スポーツライター)