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なぜ松本山雅はわずか2年でJ1からJ3へ転落したのか? 反町監督後のクラブにビジョンは…

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2021年11月29日

反町監督体制の8年間に強調され続けた「細部にこだわる」部分も徹底されず

41節の相模原戦では土壇場で追いついたが、勝利には届かなかった。写真:滝川敏之

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 それだけに後任人事は重要だったが、白羽の矢が立ったのは名波浩監督。古巣・ジュビロ磐田以外で指揮を執ったことがなく、2年間現場を離れていた。その彼がJ2残留という仕事を確実に遂行できるのか……。そこは未知数と言うしかなかった。
 
「あまり過度な期待をしないでください」と本人もコメントしたが、「元日本代表10番でカリスマ性のある名波さんならなんとかしてくれるはず」という期待は少なからずあった。そこで彼が第一に考えたのが、前向きにボールを動かし、攻撃力をアップさせることだった。そのアプローチが奏功し、結果が出た時もあったが、8月22日の愛媛戦から続いた下位同士の6ポイントマッチを立て続けに落としたのは痛かった。「サッカーをしすぎたなと。もう少し数字を追い求めながらやらなきゃいけない時期があった」と指揮官自身も理想を追いすぎたことを後悔したが、まさにそれが8~10月だったのではないだろうか。

 0-4で完敗した大宮アルディージャ戦は最たる例。佐藤和弘・平川怜の両ボランチが中盤のデュエルの攻防で全くと言っていいほど勝てず、相手にいいように攻め込まれた。球際やハードワークはもともと松本山雅の生命線だったはず。長年、積み重ねてきた強みが失われたのはやはり大きかった。

 さらに言うと、反町康治監督体制の8年間に強調され続けた「細部にこだわる」部分も徹底されていなかった。相模原戦の失点シーンも終盤投入された梅井大輝のマークがおろそかになり、最終的に児玉駿斗に決められた。こういったミスはかつての松本山雅にはなかったこと。当時の生き証人・橋内優也も「セットプレーはマンツーマンなんで、やられている本人が『次は絶対やらせない』って気持ちで向き合えていたのかどうか……」とスキを埋めきれなかったことを悔やんだ。

「得失点差-34」という数字はその積み重ねとしか言いようがない。反町体制の守備の要だった飯田真輝(現JFL奈良)は「J1クラスの能力の高い選手は決まりごとがなくても守れるけど、山雅みたいに若い選手、経験のない選手にはある程度の決まりごとがないと失点が増えても仕方ない」と語ったことがあったが、そこがもう少し徹底されていたら、J3降格は避けられたのではないか。
 
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