【私が見た阿部勇樹】口数は多くないが周囲を魅了する人柄。今でも千葉を気にかけ

カテゴリ:Jリーグ

加茂郁実

2021年11月26日

阿部と坂本の関係

公私ともに仲の良い阿部と坂本(写真中央)。ともにナビスコカップ(現ルヴァンカップ)連覇も果たした。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 千葉時代は彼を「阿部」や「阿部ちゃん」と呼ぶ選手が多かった。しかし、「勇樹」と呼ぶのが坂本將貴(現千葉コーチ)だ。ふたりは選手時代はもちろん、坂本が引退後も公私ともに仲が良く、連絡を取り合っていた。市原時代は阿部が坂本の家に入り浸っており、よくこんなに一緒にいるものだと思ったものだ。阿部の移籍後も、「この前、勇樹と〇〇して」という報告をよく耳にした。そんな坂本がある日、ボソリとつぶやいた。「今年で、勇樹……、千葉より浦和での在籍期間の方が長くなっちゃった……」。坂本のその一言は、もう、千葉には戻ってこないことを覚悟をしたかのように聞こえた。その当時はジュニアユース、ユース時代を含めずに比較した年数だったと記憶しているが、今では、アカデミー時代を含めても、浦和在籍年数の方が長くなってしまっただけに、千葉の阿部をずっと見てきた人間としては少し寂しい思いだ。
 阿部は若い頃、ケガが多かった。高校生Jリーがーとなって、各年代別代表にも選出されていたが、ケガのためワールドユースには出場できなかった。だからこそ、身体のケアや自ら身に付けるモノなどへの思い入れは人一倍強い。スパイクへの注文はもちろんのこと、レガースも大きめのものを好んだと聞いたことがある。浦和では早い時間からクラブハウスに入り、入念にケアを行なっているとも聞く。鉄人と呼ばれ、J1通算589試合出場を果たし、40歳までプレーが続けられたのは、何よりも、本人の努力の賜物だった。

 引退会見で指導者を目指すと話した。ここまでの歴史を見れば当然の道だと思う。すべての人を魅了するその人柄と、これまでの多くの経験をぜひ、次の世代へと引き継いでいってほしい。

取材・文●加茂郁実(フリーライター)

 
【関連記事】
「お前のせいで負けたと言ったら殴られた」松井大輔が元日本代表DFとの“秘話”を内田篤人に告白「殺人予告とかもあったみたい」
「笑っちゃうくらいカッケェな」久保建英と韓国の至宝が絡んだ“激アツ動画”が大反響!「感動してしまった」
【セルジオ越後】大久保の191点を超えるには何が必要?阿部の経験値はすぐ生かされない? 元代表選手の引退で見えてくるもの
【私が見た阿部勇樹】先頭に立つわけではないのに誰もが頼りにした男…その求心力の裏側
【私が見た阿部勇樹】最高潮は2010年…“ルーニー潰し”が窮地の岡田ジャパンを救うきっかけに

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ