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【私が見た玉田圭司】ロベルト・バッジョの名言に通じる奥深さ。自信家でありながら独りよがりではなく

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2021年11月26日

「思いついたプレーの中で、一番難しいものを選ぶようにしている」

2017、18年には再び名古屋へ。J1復帰に貢献した。(C)SOCEER DIGEST

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 エゴイスティックな玉田も最高に面白くて好きだが、すべてを掌握するようなベテランの玉田にも惹かれるところはものすごく強い。彼の好きな言葉に「思いついたプレーの中で、一番難しいものを選ぶようにしている」というロベルト・バッジョの名言がある。それは若かりしアグレッシブな玉田にも当てはまるし、齢を積んだ重みある玉田のプレーにも当てはまるだろう。いつしか筆者は、玉田とバッジョを重ね合わせて観ているところがあった。バッジョもまた若い頃はドリブルシュートで試合を決めてしまうような“イケイケ”な頃があり、晩年は味方の良さを引き出す老練なプレーメーカーの顔に変わっていったプレーヤーだった。ちなみに件の名言については、筆者がある取材で「こんな言葉があるんですが……」と言ったところ「知らなかった」と言い、翌年に何の前触れもなく「好きな言葉にさ……」と玉田から言い出したというプチ自慢もある。いや自慢ではないかもしれないが、何だかものすごく嬉しい瞬間だったことを鮮明に覚えている。「刺さってたんだー」と。

歳を重ねるごとに変化も。味方を生かすプレーで魅せる場面も。(C)SOCEER DIGEST

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 少し残念な二度目の名古屋からの“出発”の後も、長崎での玉田の元気な姿は折に触れて目にしてきた。昨年11月の松本戦でのゴラッソの後に「あのシュートは若い」とメッセージを送ると「誰だと思ってるんだよ」となんとも彼らしい返事もあった。40歳の打つシュートじゃない、とはチームメイトからも言われたらしい。天才は天才であるために強靭な肉体も同時に鍛え続けてきていた。41歳のFWが得点も決めたシーズンで引退を決められるというのは、本当に素晴らしく、驚異的で、喜ばしいことでもあると思う。

 11年もの期間、玉田圭司というJリーグのレジェンドを取材できたのは本当に幸運だった。その進化を目の当たりにできたことも。本当は類い稀なるお笑いのセンスにも触れたかったが、それはやめておく。今は偉大なる玉田の引退を惜しみ、その決断を尊重し、その足跡を称えたい。お疲れ様でした。その左足に私もずっと魅せられておりました。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
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