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「伊東スゴイな」で終わっていいのか?いつもと変わらぬ戦いではファン離れが進行してしまう――

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2021年11月12日

ベトナム戦は選手にチャンスを与えることができる場だったが…

三笘をはじめ新戦力を試す格好の舞台だったはずだが…。(C)JFA

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 当り前の話だが、最終予選は勝点を挙げること、チームの完成度を高めていくことを両輪で進めていかないといけない。足りないパーツ、修正しないといけない箇所は、人を入れ替え、やり方を変えていくしかない。

 オーストラリア戦からシステムを4-2-3-1から4-3-3に変更したが、ベトナム戦を見ている限り、守備の安定感はあるが、攻撃に転じた時のテンポの良さや迫力が不足している感は否めなかった。それは、飛行機の遅延トラブルなどで11選手が現地に前日入りするなど、コンディションが影響したところがあるのかもしれない。

 だが、それでもそういう選手を起用せざるを得ないというのは、それしか手がないのと同義だ。相手との力関係を考えるとベトナム戦は選手にチャンスを与えて、新しく何かを生み出していくことにチャレンジできる場だったが、故障で外れた酒井宏樹以外は前節と同じ顔ぶれが並んだ。メンバーが固定されれば競争力、活力を失い、成長が止まる。

 選手交代も得点が欲しい時に、浅野拓磨を投入し、フォローをするために中山雄太を一緒に出してカバーさせ、手堅く試合を終わらせたい監督の考えは理解できる。しかし、それで劇的な変化が生じるだろうか。

 例えば浅野と古橋亨梧を同時に起用し、「点を取りに行くぞ」というメッセージをピッチに出さなければ、大きくは変わらないのではないか。また、あそこに三笘薫がいればと思った人も多いだろう。期待感を持って観ていても結局はいつもと変わらない。そうなればクラブを応援するだけでいいと思う人も出てくるだろうし、興味を失っていく人もいるだろう。サッカー以外にも面白いこと、興奮するスポーツは世の中にたくさんあるのだ。
 
 日本代表の試合は、ホーム戦以外は地上波では放送されず、初戦のオマーン戦は視聴率13.1%、オーストラリア戦は16.8%と以前のように高くはなかった。オマーン戦では見ている層は50代以上が中心で、90年代、2000年代の熱い代表戦を見てきた世代だ。10代や30代は視聴率が一度も二桁にならなかった。

 最終予選のこれまでの試合やベトナム戦を見れば、このレベルで四苦八苦しているのか、これでW杯で勝てるのかと、ファンが関心を失いつつある状況が進行しているように感じる。ドイツW杯で期待されたチームが1勝もできず、予選で敗退し、その後人気が低迷した時期があったが、今はその時よりも期待感が薄く、代表を取り巻く環境は厳しさを増している。

 代表の人気を反映するのは、今の代表チームの力だ。

 帳尻合わせで最終予選を突破し、W杯に出場できたとしても、そのプロセスや実力にファンが失望し、日本代表そのものに興味を失ってしまうのではないか。それが怖い。

文●佐藤 俊(スポーツライター)

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