【女子W杯】「苦しい時は――」澤穂希に支えられてきた“なでしこジャパン”

カテゴリ:日本代表

松原 渓

2015年07月07日

「人一倍身体を張って、声を出して、相手にやられれば悔しがる」(川澄)

15歳での代表デビューから22年。ワールドカップ出場は6度目を数える。その間、澤は日本女子サッカーの紆余曲折を見てきた。(C) Getty Images

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 15歳で初めて代表入りしてから22年。天賦の才に弛まぬ努力を重ね、リーグでコンスタントに活躍しながら海外移籍でのプレーなどを経て、代表でも唯一無二の存在になっていった。
 
 派手なプレーで観客を沸かすのではない。しかし、守備では相手の攻撃の起点となる危険な場所に必ず現われ、ピンチをチャンスに変えていく。攻撃ではシンプルかつ正確なプレーで、なでしこジャパンのサッカーにリズムを与えた。
 
「日頃の練習でできないことは試合でもできない」と話す澤は、常に練習から100パーセントで臨む。今大会の練習中も、ボール回しで鬼になると、鋭い読みからスライディングでボールを奪う場面が何度も見られた。
 
 所属するINAC神戸レオネッサのチームメイトでもある川澄は澤のそんな姿勢についてこう語る。
「常にサッカーを楽しんでいるのが見ていて分かります。人一倍身体を張って、声を出して、相手にやられれば悔しがる」
 
 数えきれないほどのタイトルを獲り、世界一になっても、サッカーへの探究心は尽きることがない。日本女子サッカーの下積み時代を知り、苦労して来た分、サッカーができることへの喜びと感謝も忘れない。その姿勢は多くの選手にとって最高の見本でもある。
 
 所属するINACでは、澤が練習場に入るだけで空気がピリッと引き締まる。
「苦しい時は、私の背中を見て――」
 澤の代名詞ともなったこの言葉には、それだけの重みと説得力がある。
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