現役時代から所縁のある地を復活させるため
東京電力からJヴィレッジに出向し、震災当時は東京電力女子サッカー部マリーゼ(震災の影響により解散)の部長を務めていた溝口文博氏は長崎の名門、国見高校サッカー部が1987年の高校選手権で全国優勝したときのキャプテンで、DFの立石とは同期だった。
「溝口は本当にしっかりした男でね。全国大会で優勝するチームだけあって、国見の選手はやっぱり一癖も二癖もあったんですよ。それがまとまったのは溝口のおかげでした。震災直後はマリーゼの選手たちを全員連れて避難させて、溝口も福島から離れていたのですが、その半年か1年後に本人は戻ってましたからね。周りは『大丈夫か』と心配しましたが、『誰かがやらないといけない』と復興のために戻ったんです。
彼は何度も東京に足を運んでくれて、『もう一回、福島のJヴィレッジを復活させたい』という彼の熱い思いが私にも伝わっていたんです」
多くのクラブや選手たちが復興支援に力を貸した。FC東京も富岡町や須賀川市で子どもたちとの触れ合いの場を設けたり、被災地現場の視察に行ったりした。
「経産省出身でファジアーノ岡山のGMを務めた池上山六さんは非常に正義感の強い方で、震災後、国の仕事で復興支援を担当し、データを持ってJリーグの各クラブを周って『放射能の数字はここまで下がった。風評被害はまだあるけれど大丈夫なんだというのをニュースにして広めてほしい』と説いたんです。しかし、クラブとしては選手に対して『行って来い』とは言えなかった。そこで、FC東京では選手たちが自主的に行くという形をとって、現地に行っていたんです。交渉事も選手たちがやったんだけど、彼らだけだと分からないこともいろいろあるだろうから、フロントからひとり付けてやったりしてね。
小笠原満男、中村憲剛、高橋秀人……。東北の復興というのはすごいたくさんの人たちが情熱を持って取り組んでいるんです」
「溝口は本当にしっかりした男でね。全国大会で優勝するチームだけあって、国見の選手はやっぱり一癖も二癖もあったんですよ。それがまとまったのは溝口のおかげでした。震災直後はマリーゼの選手たちを全員連れて避難させて、溝口も福島から離れていたのですが、その半年か1年後に本人は戻ってましたからね。周りは『大丈夫か』と心配しましたが、『誰かがやらないといけない』と復興のために戻ったんです。
彼は何度も東京に足を運んでくれて、『もう一回、福島のJヴィレッジを復活させたい』という彼の熱い思いが私にも伝わっていたんです」
多くのクラブや選手たちが復興支援に力を貸した。FC東京も富岡町や須賀川市で子どもたちとの触れ合いの場を設けたり、被災地現場の視察に行ったりした。
「経産省出身でファジアーノ岡山のGMを務めた池上山六さんは非常に正義感の強い方で、震災後、国の仕事で復興支援を担当し、データを持ってJリーグの各クラブを周って『放射能の数字はここまで下がった。風評被害はまだあるけれど大丈夫なんだというのをニュースにして広めてほしい』と説いたんです。しかし、クラブとしては選手に対して『行って来い』とは言えなかった。そこで、FC東京では選手たちが自主的に行くという形をとって、現地に行っていたんです。交渉事も選手たちがやったんだけど、彼らだけだと分からないこともいろいろあるだろうから、フロントからひとり付けてやったりしてね。
小笠原満男、中村憲剛、高橋秀人……。東北の復興というのはすごいたくさんの人たちが情熱を持って取り組んでいるんです」
2018年、Jヴィレッジは全天候型練習場を設けるなどパワーアップして再スタートを切った。拠点を御殿場に移していたJFAアカデミー福島は、今年4月に入校した男子中学1年生よりJヴィレッジに戻ってくる。ハーフマラソン大会、ももいろクローバーZのコンサートといったイベントも開催される。
「つい最近なんですが、福島産農産物の輸入解禁をアメリカが決めました。これは明るいビッグニュースですよ。今回、福島県とJヴィレッジからこういう話がSTVVの東京支店に来たのは、私とは関係なくたまたまでした。しかし、前職の会社のこととか溝口のこととかもあって、すでに私の中ではJヴィレッジのことはやりたいという思いがありました。だから即決したんです。私も今回、Jヴィレッジに行きます。イベントに参加する選手たちのプレーを楽しみにしてます」
取材・文●中田 徹
「つい最近なんですが、福島産農産物の輸入解禁をアメリカが決めました。これは明るいビッグニュースですよ。今回、福島県とJヴィレッジからこういう話がSTVVの東京支店に来たのは、私とは関係なくたまたまでした。しかし、前職の会社のこととか溝口のこととかもあって、すでに私の中ではJヴィレッジのことはやりたいという思いがありました。だから即決したんです。私も今回、Jヴィレッジに行きます。イベントに参加する選手たちのプレーを楽しみにしてます」
取材・文●中田 徹