【女子W杯】女王らしさを見せつけたなでしこのビルドアップと采配術

カテゴリ:日本代表

西森彰

2015年07月02日

ボールポゼッションでスタミナ面でも上回る。

CBの熊谷(4)ら後方での落ち着いたパス回しで、相手を走らせたなでしこジャパン。体力面でも優位に立った。(C) Getty Images

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 その後、一度はイングランドに追いつかれた日本だが、ここでも焦らない。試合時間の経過とともに苦し紛れのクリアが増えてきた相手にしっかりと対応した。
 
 最終的なポゼッション率は58パーセント対42パーセント。ボールを動かし、相手をも動かした日本は、スタミナ面でも優位に立っていた。
 
 86分、3人目の選手交代を行なったイングランドに対して、日本は岩渕ひとりを投入しただけ。2枚のカードを残し、「足がつった時に備えて1枚残し。勝負の投入なら菅澤、守るなら澤か川村」と、指揮官が迷えるだけの選択肢が手もとにあった。
 
 アディショナルタイムに川澄のクロスからオウンゴールが生まれ、「勝った側からすれば気持ちで押し切った。負けた側からすればアンラッキー」(宮間あや)な決着にはなったが、彼我の状況を見る限り、延長戦に入っても日本が勝利を収める可能性は相当に高かったと断言できる。
 
 イングランドが用意した日本対策に苦しめられ、岩渕真奈を投入する直前の60分台には、波状攻撃に肝を冷やした。それでも、最後には土俵際できっちりと相手をいなした。
 
 ベースとなるサッカーの質だけでなく、相手のプレッシャーに耐える精神力も備えた“女王”として見事な勝利だった。
 
取材・文:西森 彰(フリーライター)
 
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