川崎の失点減少の鍵を握った存在は?
●チョン・ソンリョン(GK/川崎フロンターレ)
今季J1成績:28試合出場・0得点 ※33節終了時点
最後の1人は、GKチョン・ソンリョンを選ぶ。今季の川崎は昨季以上に失点ペースが低く、守備の安定感が増している。とくに三笘薫や田中碧を失った後半戦、川崎はゲームプランを変更した。それまでのように相手に分析、対策されても、4-3-3で押し切るような不動の戦い方を調整し、相手に応じて4-4-2で低く構えたり、守備固めを行なったりする柔軟な采配が見られる。戦略チェンジが功を奏した川崎は、横浜の猛追を退け、ふたたび勝点差を広げた。
自陣のスペースを埋めて守る時間は増えたが、元々チョン・ソンリョンは、スピード自慢のアタック型GKではなく、ゴール前で冷静に構えてシュートストップするタイプのGKだ。川崎がハイライン志向を緩め、バランス重視に変化したことは、この長身GKにとっては好都合だったと思う。
今季J1成績:28試合出場・0得点 ※33節終了時点
最後の1人は、GKチョン・ソンリョンを選ぶ。今季の川崎は昨季以上に失点ペースが低く、守備の安定感が増している。とくに三笘薫や田中碧を失った後半戦、川崎はゲームプランを変更した。それまでのように相手に分析、対策されても、4-3-3で押し切るような不動の戦い方を調整し、相手に応じて4-4-2で低く構えたり、守備固めを行なったりする柔軟な采配が見られる。戦略チェンジが功を奏した川崎は、横浜の猛追を退け、ふたたび勝点差を広げた。
自陣のスペースを埋めて守る時間は増えたが、元々チョン・ソンリョンは、スピード自慢のアタック型GKではなく、ゴール前で冷静に構えてシュートストップするタイプのGKだ。川崎がハイライン志向を緩め、バランス重視に変化したことは、この長身GKにとっては好都合だったと思う。
また、川崎はセットプレーの失点も昨季より減った。川崎は相手フリーキック時、ラインを低く設定して、ボックス内にほぼ全員が入る形で守備を行なっている。スピード&アタック派のGKの場合は、高いラインでオフサイドを取りつつ、GKが飛び出すスペースを広く確保したほうが良いが、“静のGK”チョン・ソンリョンの場合は、今の川崎のように低いライン設定でボックス内のスペースを埋めて構えるほうが、プレーしやすかったはず。今季のさらなる失点減少の鍵を握ったチョン・ソンリョンを、3人目のMVP候補に選んだ。
文●清水英斗(サッカーライター)
【PHOTO】その年を華やかに彩ったJリーグ歴代MVPを一挙紹介!(1993~2020)
文●清水英斗(サッカーライター)
【PHOTO】その年を華やかに彩ったJリーグ歴代MVPを一挙紹介!(1993~2020)